【企業がe!】ニワカソフト株式会社①古賀聡社長

2020.10.12

【企業がe!】ニワカソフト株式会社 古賀 聡代表取締役社長インタビュー①

FeRC参画企業の情熱や取り組みをご紹介する【企業がe!】

第一回は、そのユニークな社名以上に、ロボマスター世界大会挑戦・eモータースポーツチームの活躍など先進的な取り組みで有名なニワカソフト株式会社代表取締役社長古賀聡さんにお話をうかがいました。

ニワカソフト株式会社が運営するニワカゲームスは2019年茨城国体グランツーリスモ少年の部で2位選手を輩出、2020年JeGTではチーム戦優勝などの実績をあげられています。


野球と起業と

ーーー古賀さん、本日はよろしくお願い致します。リモートでお会いしてばかりなので本日は直接お会いできて嬉しく存じます。ニワカソフトさんは主にIT事業者としてご活躍ですが、元々IT系の方なんでしょうか?

こちらこそ宜しくお願い致します。お恥ずかしながら元々はIT系でもエンジニア系でもないんです。高校まで甲子園を目指して野球ばかりやっていました。上下関係も厳しく、とにかくよく鍛えて頂きました。礼儀とか挨拶とか、人と気持ちよく仕事するための大切な事を学んだなぁと社会に出てあらためて感じています。高校卒業後、病院に勤めたりもしていました。今の業界で始める際も全くITの知識は無くて、ドメインの取り方とかウェブサイトの構築方法とか、独学で調べて学んでいくような状態でスタートしました(笑)

ーーー古賀さんとお目にかかるとこちらもいつも気持ちよく接しさせて頂いてます。NIWAKAさんはゲームアプリ開発からスタートなさったのですよね?

そうです、ゲームアプリといえば現在はGoogleストアやappleストアでズラッと並んでいますが、当時はちょうどパズドラが販売された頃で、まだどうやってマネタイズしていったら良いかもよく分からないような混沌とした状態でした。それでもヒットしたら大きな夢だと思い、クリック広告を狙ったようなアプリをたくさん出したり、脱出系ゲームをリリースしていったりしましたが、うまく収益を上げられず撤退しました。失敗した事業も弊社HPに掲載しているんですけど(笑)でもチャレンジして失敗した経験ですから良い事と捉えていまして。なんでもやってみようという社風やユーザー視点でのものの見方などはいまもニワカソフトに息づいていると思っています。それと目の前の利益にあまり固執しないというスタンス、事を急ぎすぎると”一緒にやろう”と周りを巻き込みにくい、なども経験として学びました。その際培った知識や経験が活かされ、現在はSEOマーケティング事業などを中心に経営しています。

同社HPはなんと“これまでに失敗した事業”も掲載

日本ヤバいな…ロボマスチャレンジ

ーーーeスポーツよりも先に、ロボマスへのチャレンジを始められたのですよね。(編集注:ROBOMASTER/中国のドローン大手・DJIが主催する世界最大級の最高レベルのロボット大会。中国深センで開催される)

きっかけは中国出張の際、中国の人に「最近日本のロボットは面白くありませんね」と言われた事でした。悪気があったわけでなく何気ない言葉だったようですが、日本のロボットは踊ったり階段を昇り降りしたりでつまらないと。驚いたしショックでした。私自身、中国のイメージは“パクリ”だとか、技術的にも下に見ていた部分があったかもしれません。それに反して実際は、ROBOMASTERを見てみると中国勢は極めて高い技術力を持ち、日本勢は凄く引き離されていました。エンジニアではない私の目から見ても歴然とした差を感じ、このままでは日本ヤバいな、と正直思いましたね。同行していた日本のエンジニアも同じ危機感を持ったそうで、日本の方が凄いという時代は終わりつつあるのかなと肌で感じた経験となり、衝撃でした。

ROBOMASTERジャパンHPより。2019年は全国15か国195万人以上が視聴したという

中国はこうした取り組みに投資のスピードもボリュームも凄い。日本では大企業が「うまくいくのか」と社内稟議を重ねている頃、既に中国ではモノが出来ている。こうしたスピード感の差についても危機感を持ちました。

しかし福岡でも、若くてやれば凄い力を発揮する子はたくさんいます。そういう子たちにチャレンジできる環境を作ってあげて「頑張ってきて!」と送り出せるチャレンジがしたい、そういう発想からROBOMASTER挑戦を始めました。(編集注:FUKUOKA NIWAKAチーム設立)

FUKUOKA NIWAKAHPより。eスポーツチーム設立にも繋がる要素が

ーーー危機感を感じて帰国して、ロボマス挑戦だと。でも普通、「自分はエンジニアでもないし業界違うから良いか。どこから着手したらよいか分からないし」と過ぎ去ってしまうんじゃないかと思うのですが、どうやって始められたのでしょう?不思議で仕方ないのですが(笑)

うーん、もうやるって決めて動いてしまった、手が先に出てしまったというのが真相ですかね(笑)あんまり失敗とか考えずに…良いとこでもあり悪いとこでもあるのですが…元々誰もやってない事をやるのが好きなんですよね。そういうわけで自分はエンジニアではないので「人」から着手しました。場所とか設備とか環境を整えたらこの目標に向かって一緒にやってくれますか?と呼びかけたんです。応じてくれた人たちに何が必要かと聞くと、集まる場所とかロボットを作る場所が必要だと。それで博多駅前にラボを作りました。(編集注:ニワカラボ。博多区博多駅前3丁目。ロボマスの拠点の他eスポーツ拠点ともなっている)

博多駅近くのニワカラボ/同社HPより
博多駅近くのニワカラボ/同社HPより

やっぱり「人」が重要ですね。参加してくれている学生たちも自主的に泊まり込みで開発に打ち込んで、心配されたお母さんから会社に電話が入ったりしました。高専大学大学院学生も多く参加していますが仕事して給料を払ってるチームじゃないので、本当に一人一人が「勝ちたい」「このロボットを完成させたい」「自分の技術を全部注ぎ込みたい」という想いを持ち込んでやっているので、「目標」に向かって集まり進んでいますね。これはFeRCも同様かもしれませんね、これをやりたい、という想いで集まるという形。私は「行くぞー」としなくても、もう一人一人がどんどん進めてくれた、というチームです。

ーーー堀江貴文さんとお会いされたとうかがいました。

別府のホリエモン祭りで堀江貴文さんと対談させて頂く機会がありました。堀江さんは「これから人はAIにどんどん仕事を奪われる、人はもっと遊ぶこと・楽しむことをすべき」というお話をされ、私も共感できる部分がたいへん多く刺激になりました。実際、堀江さん自身常に面白い事・楽しい事(ロケット制作など)を手掛けられています。有言実行の人だなあと感じています。

ーーー古賀さんのお話しうかがっていると、競争から連携の時代に移ってるなぁと感じます。

繋がりはとても大切だなと感じていますね。私もロボマスやるまでは自分の会社さえ良ければというような考え方で商売していたのもあったので、初めて「同じ目標に向かって仕事じゃない人達が集まって進んでいく」凄いパワーを経験しました。人の繋がりでこんな大きな力が生まれるんだなと学びました。

2020年クラウドファンディングでも大きな反響。残念ながら大会はコロナにより中止となったがあらためて多くの応援する声をもらったという

チームの学生には高専の子もいるのですが学校の活動や勉強だけでは物足りない、これに打ち込みたいと。高専の先生方まで見学に来られたりして「将来にも繋がる事だから頑張って行ってこい!」と学生を応援して下さり、嬉しいです。ほかの事には興味が薄かったりするが、この分野には全てを注いでもいい!という感じの、尖った感じの学生が多く参加している印象がありますね。

そして、ニワカゲームス

あわわ!いよいよeスポーツのお話し!というところで、紙幅が尽きてしまいました!古賀社長やニワカに集まる人々の情熱やワクワクがたっぷり詰まったインタビュー、この続きは、次回!(文責:FeRC事務局鈴木)

インタビュー当日開催のニワカゲームス カート走行会。

【古賀 聡】ニワカソフト株式会社代表取締役社長 

佐賀県鳥栖市生まれ。学生時代は毎日野球ばっかりの高校球児。高校卒業後、周りの友達が大学に進学する中、就職して20代前半まで目標もなくフラフラしていました。いっぱい失敗していろんな方に支えてもらって今に至ります。(HPより)2012年9月NIWAKASOFT設立。

【ニワカソフト株式会社】https://niwakasoft.jp/

2012年9月設立。本社/福岡県福岡市中央区。主な事業内容/Web制作、企画、広告及び運営事業/Iotメディア事業/ロボット事業/eスポーツ事業/輸入販売事業。 福岡eスポーツリサーチコンソーシアム運営団体正会員。

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豊前市高齢者研究 実地リポート②

2020.10.10

豊前市高齢者研究リポート②研究チーム調査中!

福岡県豊前市とのeスポーツいきがい研究事業協定に基づき、研究チームによる実地リサーチが同市内「ケアポートぶぜん」にて2020年10月6日スタート。九州工業大学・九州産業大学を中心とする研究チームにより11月末まで実地調査が行われ、データ分析を経て2021年1月以降、報告されます。

eスポーツ×〇〇〇、といった形で何かのキーワードと掛け合わせたeスポーツ発展が注目されています。教育・地域活性化・障がい者支援・リアルスポーツ融合などが注目される中、【高齢者認知症予防】【高齢者生きがい増進】といった超高齢化社会に立ち向かうキーワードも大切です。

eスポーツをする前の「プレ調査」実施中の研究チームを取材しました。

写真右から)堤氏、夏目教授、西薗教授
写真右から)西薗教授、溝上氏、磯貝教授

研究チームメンバーコメント ※プレ調査後

 

●堤喜彬氏(九州工業大学大学院生命体工学研究科、大学院生)

「eスポーツする前の調査をしたところですが、ご高齢者皆さんの記憶力が創造よりも高く驚きました。」

●夏目季代久教授(九州工業大学大学院生命体工学研究科、研究統括)

「皆さんとても協力的で、eスポーツに対してもたいへん興味を持って下さっているので、前向きな効果が出ると良いなと思っています」

●西薗秀嗣教授(九州産業大学人間科学部スポーツ健康科学科、FeRCリサーチ部会委員)

「開眼片足立ちと握力の測定をしましたが、皆さん素晴らしい能力で驚きました。eスポーツがこれらに何か影響があるか興味深い」

●溝上雅彦氏(特定非営利活動法人健康な社会をつくる会理事長、FeRCリサーチ部会委員)

「慣れない事ばかりでたいへんだったと思いますが皆さん協力的で嬉しく思いました」

●磯貝浩久教授(九州産業大学人間科学部スポーツ健康科学科、FeRC理事長)

「後藤市長にも視察に来て頂き、調査対象の方々にもたいへん協力頂きました。ポスト調査も楽しみにしています」

●斉藤嘉子氏(一般社団法人行動評価システム研究所、FeRC事務局)

「皆さん理解力がとても高く、調査もスムーズでした。感謝致します」


豊前市とのeスポーツ生きがい研究事業の詳細はプレスリリースをご覧ください

https://www.ferc.jp/news/buz20201001/

研究概要については研究チーム プレスリリースをご参照ください

https://www.ferc.jp/news/tyo20201001/

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豊前市高齢者研究 実地リポート①

2020.10.7

豊前市高齢者研究リポート①10月6日開始しました!

豊前市とのeスポーツいきがい研究事業協定に基づき、研究チームによる実地リサーチが同市内「ケアポートぶぜん」にて2020年10月6日、スタートしました!

協賛:大塚製薬株式会社

その模様を紹介リポートします!

多くの市民の方々のご参加が

この研究に多くのご高齢者がお集まりくださり、研究チームから調査目的や内容を説明、ご承諾いただきました。

調査研究の目的・内容について説明中の夏目季代久教授(九州工業大学)
説明にあたる磯貝浩久教授(九州産業大学)

後藤元秀市長も視察に

豊前市の後藤元秀市長も視察にご来所頂き、ご挨拶頂きました。豊前市はたいへん長寿の方々が多い地域で、市民の皆様ますますの健康寿命延伸のため積極的に調査研究に取り組んでいきたい旨をお話し頂きました。後藤市長はeスポーツの情報もよく把握されており理解の深い首長です。

挨拶される後藤元秀 豊前市長
後藤元秀 豊前市長

実地調査の模様

実地調査は11月末まで行われます。研究概要や研究チームメンバーはプレスリリースをご覧ください。

実地調査の模様は引き続きリポート致します、ご期待ください。

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プレスリリースストーリーズに神崎保孝先生掲載

2020.10.6

プレスリリースストーリーズに神崎保孝先生インタビューが掲載されました。

神崎保孝先生(臨床心理士/ニワカゲームスアドバイザー/FeRCリサーチ部会委員) 記事はこちらから

神崎保孝先生は日本初の心理学・eスポーツ二刀流の臨床心理士としてFeRCでもご活躍頂いています

【神崎保孝】ニワカゲームスeモータースポーツチーム メンタルアドバイザー 

臨床心理士指定大学院修士課程~博士課程を経て臨床心理士登録。 教育庁教職員メンタルヘルスカウンセラー・研修講師、教育委員会SCスーパーバイザー、精神保健福祉センター自殺対策・自死遺族ケアカウンセラー、急性期・回復期総合病院アドバイザー・カウンセリング専門外来、商工会議所アドバイザー、民事訴訟事件裁判鑑定人、政策研究ネットワーク委員などを歴任のほか、私立学校教職員・保護者の年次全国会議における記念講演者、近県の医療機関が参集する専門研修の特別講師などを務め、WHOのプロジェクト、熊本地震の災害派遣、殺人事件・人身死亡事故・自死・いじめケースの心のケアなどにも参加協力。

国内のeスポーツ業界初、心理学の臨床家として顧問契約を締結したeモータースポーツチーム「ニワカゲームス」は、茨城国体で銀メダルを獲得するなど日本トップレベル。 福岡eスポーツリサーチコンソーシアムリサーチ部会委員。

【連絡先:inquiry_kanzaki@yahoo.co.jp】

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九州工業大学・九州産業大学を中心とした研究チーム10月6日~調査開始

2020.10.1

九州工業大学・九州産業大学を中心とした研究チームが10月6日より調査開始

【eスポーツいきがい研究事業に関する協定書】に基づき豊前市の全面協力のもと、FeRCに参画している九州工業大学・九州産業大学を中心とした研究チームが、eスポーツいきがい研究事業最初の調査研究を開始します。2020年10月6日より約2か月半にわたり、豊前市高齢者を対象としたeスポーツのいきがい・認知症予防などの調査研究が行われます。

■高齢者のeスポーツによる認知症予防・認知機能向上

eスポーツはビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉えたもので、国内でも急速に普及が広がりプロ選手も増えています。トップ選手を輩出する若い世代以外にも、障がい者や高齢者といったリアルスポーツに敷居の高い方々への普及が見込まれています。世界で最も超高齢化の進む日本においては、特に脳の活性化などによる認知機能の向上認知症予防いきがいの増進といった効果が期待されており、医療費抑制・健康寿命延伸への寄与を視野に、調査研究が待たれます。

■研究概要

≪研究チーム≫

夏目季代久教授(九州工業大学大学院生命体工学研究科、FeRCリサーチ部会委員)

磯貝浩久教授(九州産業大学人間科学部スポーツ健康科学科、FeRC理事長)

西薗秀嗣教授(九州産業大学人間科学部スポーツ健康科学科、FeRCリサーチ部会委員)

阪田俊輔助教(九州産業大学健康スポーツ科学センター、FeRCリサーチ部会委員)

本山清喬助教(九州産業大学健康スポーツ科学センター、FeRCリサーチ部会委員)

溝上雅彦(特定非営利活動法人健康な社会をつくる会理事長、FeRCリサーチ部会委員)

斉藤嘉子(一般社団法人行動評価システム研究所、FeRC事務局)

堤喜彬(九州工業大学大学院生命体工学研究科、大学院生)

安部恵梨菜(九州工業大学情報工学部、学部生)

神崎保孝(臨床心理士、ニワカゲームスアドバイザー、FeRCリサーチ部会委員)

≪協賛≫

大塚製薬株式会社、ニワカソフト株式会社、フィットネスクラブWell-Being

≪後援≫

豊前市

≪研究課題≫

eスポーツ実施を通した地域高齢者の認知症予防

≪概要≫

・「ケアポートぶぜん」にて豊前市65歳以上高齢者約40名を対象とする

・週2回のプログラム(ぷよぷよ・グランツーリスモ)を実施、実施群と対象群に分け調査

・認知症検査、脳波・脳血流量測定・いきがい度評価、健康度診断検査等を研究前後で実施

・研究成果は、学会発表及び学術雑誌投稿など学術的な公表を予定

≪スケジュール≫

・実地調査 2020年10月6日~11月下旬

・データ解析 12月中

・結果公表 12月~1月を予定

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