【企業がe!】ニワカソフト株式会社②古賀聡社長

2020.10.29

【企業がe!】ニワカソフト株式会社 古賀 聡代表取締役社長インタビュー②

FeRC参画企業の情熱や取り組みをご紹介する【企業がe!】

第2回、ロボマスター世界大会挑戦・eモータースポーツチームの活躍など先進的な取り組みで有名なニワカソフト株式会社代表取締役社長古賀聡さんへのインタビュー続編です。ロボマスチャレンジのチームを設立したニワカソフトさん、eスポーツチーム【ニワカゲームス】にいよいよチャレンジ!のお話に!

ニワカソフト株式会社が運営するニワカゲームス設立、想い、今後の展望などについておうかがいしました!ニワカゲームスは2019年茨城国体/グランツーリスモ少年の部で2位選手を輩出、2020年JeGTチーム戦優勝などの実績をあげられています。


“福岡から輩出できたら面白いよね!”

ーーー(前回のインタビューで)まさかのロボマス挑戦チームを作られたお話、その機動的な行動力に感銘致しました。…で、その後もまたもや挑戦!という事でeスポーツチーム【ニワカゲームス】設立についてうかがいたいのですが?

もともと、eスポーツで何かしたい!という想いを持っていましたので、最初に「eスポーツチームを持ってみたい!」から始まりました。その中で何の種目にしようか?となったときにRoboMasterと同じようにグランツーリスモにも世界大会があって、海外ではたいへん盛況です。「福岡から、世界大会で優勝したり活躍できる子を輩出出来たら凄くない?面白くない?」という話になりましてね。せっかく地域に根付いたラボ(編集注:ニワカラボ。博多駅近く)があって、凄い人が集まるんだったら、そこにお子さん達も交えていずれ凄い選手を輩出する、なんて事になったら面白いよね!という事でチームを結成しました。

ロボマスチームも拠点とする博多駅近くのニワカラボ
ニワカラボに整えられたニワカゲームス設備

ーーー古賀さん、何をされる際にも”〇〇出来たら面白いよね!”がテーマなんですね( ;∀;)(編集者心の涙)

eスポーツチームを持つにあたって、プロゲーマーを輩出している他のチームを見ますと、ゲーマーの方々を集めて報酬を払って…という形式が多いです。

しかしニワカゲームスは違うスタイルでやっています。これはロボマス挑戦のFukuokaNiwakaと同じなのですが、目標をもって凄いやる気のある選手たちに我々は環境を提供しサポートする。その選手自身の力でどんどん凄い事が出来ていく…というチームでいたいなと思っています。

ーーーたしかに”甲子園行きたいから給料払うので部活入りませんか”という野球部は無いですね(笑)

そうそう!そういう面では野球部の感覚に近いかもしれませんね(笑)甲子園という目標があって、やる気のある選手がじゃあどこの高校でやろうか!というところで。集まってその子達を預かるからにはより良い環境を提供したいですよね。我々は環境やサポートを提供する側。”世界大会目指す”とか凄いやる気のある選手側。一緒にラボに来て前に作っていく、そういうチームでありたいと思っています。

グランツーリスモはゲームではなくシミュレーター(編集注:実車の再現性にこだわっている)です。ニワカの選手達は走りながら車体の重心とか風を感じながら走っているようで、一度プロレーサーの方をお招きしたのですがそういう実車に則した質問もたくさんしていて、この子達本当に凄いなと思いました。どこでブレーキを踏む、ハンドルを切る、という我々のレベルと全然違うところにいるんですよ(笑)

2020JeGTチーム優勝 龍翔太郎選手は2019茨城国体2位の実績

“教育”というよりも可能性の入口

ーーーニワカゲームスとして何か気をつけている事とか、方針があれば教えてください

そうですね、“教育”で抑えつけて教え込む、とか絶対eスポーツをさせて強くする、という所に正直あまりこだわっていません。国体や世界大会を明確な目標にする選手がいて、そういう選手たちは自分たちの目標に突き進んでくれたらよいと思いますし、先ほどお話したように環境をどんどん提供していく。

ただ一方で、ニワカゲームスは小学生など子どもたちが参加するチームでもあります。子どもたちには今日の実車カート体験も含めて、あらゆる事に触れて色々なものに興味を持って行って欲しいと思っています。ひょっとしたらゲームというよりこうした体験でプロのレーサーになりたいという子、車のエンジニアになりたいという子も出てくるかも知れません。全然違うバイクに興味を持ったりする子もいるかもしれない。可能性は本当、無限ですよね。みんながみんな、同じようにゲームに熱中して取り組む、というチームにはしたくない、と考えています。その子それぞれ、何かに熱中出来れば良いし、色々なことに興味を持って欲しいですね。

小学生から参加するニワカゲームス

例えば活動日にラボに来ても、必ずしもゲームしなくても良い。ラボ内には隣にロボマスの制作ルームもありますから、エンジニアの学生たちと交流してそちらに興味を持ってもらっても良い。せっかくそういう環境にあるラボですから、色んなことに興味をもつ入り口としてeスポーツがある、それで良いと考えています。

ニワカゲームスHPより。ゲームが上達するだけではなく健全に成長できる環境を

ーーーニワカさんの発想や原点は、「人の集まり」もその一つなんですね

そうですね、何かに対して気持ちの強い人が集まる輪が出来て、そこに刺激がある。そういう刺激を場を提供する存在でありたいなと考えています。惰性で「勝たなきゃいけない」「毎回練習しないといけない」となるチームよりも、「何かここに来たら面白いものがある!」と常に新鮮なチームやラボでありたいですね。

ニワカゲームスに入ってきてくれる子どもの親御さんたちは、ゲームをやらせるのは心配!というマイナスイメージを持っておられる方は全くないですね。それより色んな経験をさせてあげたい、興味を持つ機会を与えてあげたい、という我々と同じお考えの方が多いです。まだチームを始めてそれほど長くありませんが、その中でも子どもたちも着実に成長しているのが見ていてわかります。チーム内でもお兄ちゃんや大人から「ここはこうプレイすると良いよ」とか交流が盛んで、良い学びの場になっているのではないかなと感じています。一人でゲームしているよりよほど良い環境なんじゃないかなぁと思いますね。

これからのeスポーツのこと

ーーーeスポーツ業界は成長が期待されていますがマネタイズはまだまだですね

そうですね、どこもそれは同じ事情と思いますが、そこは急いでも仕方ないのかなと考えています。

ーーーところで”ニワカ”という社名・名前の宣伝効果としては状況いかがでしょうか?

ありがたいことに、会う方々は「ニワカ!知ってるよ!」「今度ラボを見に行きたい!」「何してる会社か知りたい!」などのお声がここ2~3年多くなったような気がしますね。

ーーー2020年8月のJeGTネット配信で見ていたのですが“ニワカ”!と実況されると我々も嬉しくなりました

ありがとうございます、JeGT配信など盛り上がってきましたけど、もっと「見る側」=観客側が楽しめる工夫が今後eスポーツ発展のためのテーマだろうなと思いますね。私自身もグランツーリスモに疎かったのですが見ていると、タイヤ交換とか設定とか、走る以外の駆け引きも充分あるんですよね。いまゲーマーが凄い!という所ばかりが取り上げられているように感じます。もっとゲームをしない一般の人々にも「このゲームのここが凄い!」とか、見どころとか、広く人々に楽しみ方を理解してもらう工夫が必要でしょうね。観客が増え、そこに広告もついて、eスポーツ業界全体がもっと盛り上がっていくと思います。

2020年8月JeGT配信の模様

選手自身がどんな人柄なのかにもフォーカスを当てても良いですよね。それと地域。高校野球だと佐賀県が負けたら、じゃあ同じ九州勢の残っている高校を応援したくなりますよね。もっと地域に根差して、住んでいる街や地域として応援したくなるような土壌を作っていけたらと思います。

ーーー古賀さん、一つご提案なんですがニワカゲームスで企業経営者選手権とかどうですか?社会的地位も高い社長さんがニワカの選手の下についてチーム戦で戦うとか(笑)どんなに年長で偉い人でも若い選手に習う、という図です(笑)

良いですよね!eスポーツはそういう序列とか壁を無くしてしまうコミュニケーションツールでもあると思うんですよね。福岡eスポーツ協会の中島会長も、eスポーツを単体でとらえるのではなくてeスポーツ×〇〇、たとえば地域活性化とか健康とか何かに掛け合わせて取り組むべきだろうとおっしゃっています。年齢や地位なんかを超えたコミュニケーションツールとして広げていけたらよいですね。

ーーー古賀さん、本日はありがとうございました!


この日、実車カート体験が!

この日、ニワカゲームスは通常活動しているラボを離れ、カート場での実車カート走行会でした。定期的に開催し、各選手とも実車走行の経験をグランツーリスモに活かしているそうです。“カート”と聞き甘く考えていましたが…見ていると大変な迫力!体感速度90キロ以上あるのではないでしょうか?エンジンの轟音とカーブに飛び込んでいくスピード感に圧倒されました。同時に、乗りこなしている選手たちの能力の高さにも脱帽する見学となりました!

地上すれすれの時速60キロ、体感速度は…
見ているだけで足が震える迫力
小学生はキッズカートで走行
古川拓己選手。人当たりの良い素晴らしい好青年
龍翔太郎選手。自動車メーカー開発ドライバーが目標、物静かで信念を感じます
チーム運営の太田寛さん。マネジメント全般を統括

【古賀 聡】ニワカソフト株式会社代表取締役社長 

佐賀県鳥栖市生まれ。学生時代は毎日野球ばっかりの高校球児。高校卒業後、周りの友達が大学に進学する中、就職して20代前半まで目標もなくフラフラしていました。いっぱい失敗していろんな方に支えてもらって今に至ります。(HPより)2012年9月NIWAKASOFT設立。

【ニワカソフト株式会社】https://niwakasoft.jp/

2012年9月設立。本社/福岡県福岡市中央区。主な事業内容/Web制作、企画、広告及び運営事業/Iotメディア事業/ロボット事業/eスポーツ事業/輸入販売事業。 福岡eスポーツリサーチコンソーシアム運営団体正会員。

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【企業がe!】ニワカソフト株式会社①古賀聡社長

2020.10.12

【企業がe!】ニワカソフト株式会社 古賀 聡代表取締役社長インタビュー①

FeRC参画企業の情熱や取り組みをご紹介する【企業がe!】

第一回は、そのユニークな社名以上に、ロボマスター世界大会挑戦・eモータースポーツチームの活躍など先進的な取り組みで有名なニワカソフト株式会社代表取締役社長古賀聡さんにお話をうかがいました。

ニワカソフト株式会社が運営するニワカゲームスは2019年茨城国体グランツーリスモ少年の部で2位選手を輩出、2020年JeGTではチーム戦優勝などの実績をあげられています。


野球と起業と

ーーー古賀さん、本日はよろしくお願い致します。リモートでお会いしてばかりなので本日は直接お会いできて嬉しく存じます。ニワカソフトさんは主にIT事業者としてご活躍ですが、元々IT系の方なんでしょうか?

こちらこそ宜しくお願い致します。お恥ずかしながら元々はIT系でもエンジニア系でもないんです。高校まで甲子園を目指して野球ばかりやっていました。上下関係も厳しく、とにかくよく鍛えて頂きました。礼儀とか挨拶とか、人と気持ちよく仕事するための大切な事を学んだなぁと社会に出てあらためて感じています。高校卒業後、病院に勤めたりもしていました。今の業界で始める際も全くITの知識は無くて、ドメインの取り方とかウェブサイトの構築方法とか、独学で調べて学んでいくような状態でスタートしました(笑)

ーーー古賀さんとお目にかかるとこちらもいつも気持ちよく接しさせて頂いてます。NIWAKAさんはゲームアプリ開発からスタートなさったのですよね?

そうです、ゲームアプリといえば現在はGoogleストアやappleストアでズラッと並んでいますが、当時はちょうどパズドラが販売された頃で、まだどうやってマネタイズしていったら良いかもよく分からないような混沌とした状態でした。それでもヒットしたら大きな夢だと思い、クリック広告を狙ったようなアプリをたくさん出したり、脱出系ゲームをリリースしていったりしましたが、うまく収益を上げられず撤退しました。失敗した事業も弊社HPに掲載しているんですけど(笑)でもチャレンジして失敗した経験ですから良い事と捉えていまして。なんでもやってみようという社風やユーザー視点でのものの見方などはいまもニワカソフトに息づいていると思っています。それと目の前の利益にあまり固執しないというスタンス、事を急ぎすぎると”一緒にやろう”と周りを巻き込みにくい、なども経験として学びました。その際培った知識や経験が活かされ、現在はSEOマーケティング事業などを中心に経営しています。

同社HPはなんと“これまでに失敗した事業”も掲載

日本ヤバいな…ロボマスチャレンジ

ーーーeスポーツよりも先に、ロボマスへのチャレンジを始められたのですよね。(編集注:ROBOMASTER/中国のドローン大手・DJIが主催する世界最大級の最高レベルのロボット大会。中国深センで開催される)

きっかけは中国出張の際、中国の人に「最近日本のロボットは面白くありませんね」と言われた事でした。悪気があったわけでなく何気ない言葉だったようですが、日本のロボットは踊ったり階段を昇り降りしたりでつまらないと。驚いたしショックでした。私自身、中国のイメージは“パクリ”だとか、技術的にも下に見ていた部分があったかもしれません。それに反して実際は、ROBOMASTERを見てみると中国勢は極めて高い技術力を持ち、日本勢は凄く引き離されていました。エンジニアではない私の目から見ても歴然とした差を感じ、このままでは日本ヤバいな、と正直思いましたね。同行していた日本のエンジニアも同じ危機感を持ったそうで、日本の方が凄いという時代は終わりつつあるのかなと肌で感じた経験となり、衝撃でした。

ROBOMASTERジャパンHPより。2019年は全国15か国195万人以上が視聴したという

中国はこうした取り組みに投資のスピードもボリュームも凄い。日本では大企業が「うまくいくのか」と社内稟議を重ねている頃、既に中国ではモノが出来ている。こうしたスピード感の差についても危機感を持ちました。

しかし福岡でも、若くてやれば凄い力を発揮する子はたくさんいます。そういう子たちにチャレンジできる環境を作ってあげて「頑張ってきて!」と送り出せるチャレンジがしたい、そういう発想からROBOMASTER挑戦を始めました。(編集注:FUKUOKA NIWAKAチーム設立)

FUKUOKA NIWAKAHPより。eスポーツチーム設立にも繋がる要素が

ーーー危機感を感じて帰国して、ロボマス挑戦だと。でも普通、「自分はエンジニアでもないし業界違うから良いか。どこから着手したらよいか分からないし」と過ぎ去ってしまうんじゃないかと思うのですが、どうやって始められたのでしょう?不思議で仕方ないのですが(笑)

うーん、もうやるって決めて動いてしまった、手が先に出てしまったというのが真相ですかね(笑)あんまり失敗とか考えずに…良いとこでもあり悪いとこでもあるのですが…元々誰もやってない事をやるのが好きなんですよね。そういうわけで自分はエンジニアではないので「人」から着手しました。場所とか設備とか環境を整えたらこの目標に向かって一緒にやってくれますか?と呼びかけたんです。応じてくれた人たちに何が必要かと聞くと、集まる場所とかロボットを作る場所が必要だと。それで博多駅前にラボを作りました。(編集注:ニワカラボ。博多区博多駅前3丁目。ロボマスの拠点の他eスポーツ拠点ともなっている)

博多駅近くのニワカラボ/同社HPより
博多駅近くのニワカラボ/同社HPより

やっぱり「人」が重要ですね。参加してくれている学生たちも自主的に泊まり込みで開発に打ち込んで、心配されたお母さんから会社に電話が入ったりしました。高専大学大学院学生も多く参加していますが仕事して給料を払ってるチームじゃないので、本当に一人一人が「勝ちたい」「このロボットを完成させたい」「自分の技術を全部注ぎ込みたい」という想いを持ち込んでやっているので、「目標」に向かって集まり進んでいますね。これはFeRCも同様かもしれませんね、これをやりたい、という想いで集まるという形。私は「行くぞー」としなくても、もう一人一人がどんどん進めてくれた、というチームです。

ーーー堀江貴文さんとお会いされたとうかがいました。

別府のホリエモン祭りで堀江貴文さんと対談させて頂く機会がありました。堀江さんは「これから人はAIにどんどん仕事を奪われる、人はもっと遊ぶこと・楽しむことをすべき」というお話をされ、私も共感できる部分がたいへん多く刺激になりました。実際、堀江さん自身常に面白い事・楽しい事(ロケット制作など)を手掛けられています。有言実行の人だなあと感じています。

ーーー古賀さんのお話しうかがっていると、競争から連携の時代に移ってるなぁと感じます。

繋がりはとても大切だなと感じていますね。私もロボマスやるまでは自分の会社さえ良ければというような考え方で商売していたのもあったので、初めて「同じ目標に向かって仕事じゃない人達が集まって進んでいく」凄いパワーを経験しました。人の繋がりでこんな大きな力が生まれるんだなと学びました。

2020年クラウドファンディングでも大きな反響。残念ながら大会はコロナにより中止となったがあらためて多くの応援する声をもらったという

チームの学生には高専の子もいるのですが学校の活動や勉強だけでは物足りない、これに打ち込みたいと。高専の先生方まで見学に来られたりして「将来にも繋がる事だから頑張って行ってこい!」と学生を応援して下さり、嬉しいです。ほかの事には興味が薄かったりするが、この分野には全てを注いでもいい!という感じの、尖った感じの学生が多く参加している印象がありますね。

そして、ニワカゲームス

あわわ!いよいよeスポーツのお話し!というところで、紙幅が尽きてしまいました!古賀社長やニワカに集まる人々の情熱やワクワクがたっぷり詰まったインタビュー、この続きは、次回!(文責:FeRC事務局鈴木)

インタビュー当日開催のニワカゲームス カート走行会。

【古賀 聡】ニワカソフト株式会社代表取締役社長 

佐賀県鳥栖市生まれ。学生時代は毎日野球ばっかりの高校球児。高校卒業後、周りの友達が大学に進学する中、就職して20代前半まで目標もなくフラフラしていました。いっぱい失敗していろんな方に支えてもらって今に至ります。(HPより)2012年9月NIWAKASOFT設立。

【ニワカソフト株式会社】https://niwakasoft.jp/

2012年9月設立。本社/福岡県福岡市中央区。主な事業内容/Web制作、企画、広告及び運営事業/Iotメディア事業/ロボット事業/eスポーツ事業/輸入販売事業。 福岡eスポーツリサーチコンソーシアム運営団体正会員。

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豊前市高齢者研究 実地リポート①

2020.10.7

豊前市高齢者研究リポート①10月6日開始しました!

豊前市とのeスポーツいきがい研究事業協定に基づき、研究チームによる実地リサーチが同市内「ケアポートぶぜん」にて2020年10月6日、スタートしました!

協賛:大塚製薬株式会社

その模様を紹介リポートします!

多くの市民の方々のご参加が

この研究に多くのご高齢者がお集まりくださり、研究チームから調査目的や内容を説明、ご承諾いただきました。

調査研究の目的・内容について説明中の夏目季代久教授(九州工業大学)
説明にあたる磯貝浩久教授(九州産業大学)

後藤元秀市長も視察に

豊前市の後藤元秀市長も視察にご来所頂き、ご挨拶頂きました。豊前市はたいへん長寿の方々が多い地域で、市民の皆様ますますの健康寿命延伸のため積極的に調査研究に取り組んでいきたい旨をお話し頂きました。後藤市長はeスポーツの情報もよく把握されており理解の深い首長です。

挨拶される後藤元秀 豊前市長
後藤元秀 豊前市長

実地調査の模様

実地調査は11月末まで行われます。研究概要や研究チームメンバーはプレスリリースをご覧ください。

実地調査の模様は引き続きリポート致します、ご期待ください。

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九州工業大学・九州産業大学を中心とした研究チーム10月6日~調査開始

2020.10.1

九州工業大学・九州産業大学を中心とした研究チームが10月6日より調査開始

【eスポーツいきがい研究事業に関する協定書】に基づき豊前市の全面協力のもと、FeRCに参画している九州工業大学・九州産業大学を中心とした研究チームが、eスポーツいきがい研究事業最初の調査研究を開始します。2020年10月6日より約2か月半にわたり、豊前市高齢者を対象としたeスポーツのいきがい・認知症予防などの調査研究が行われます。

■高齢者のeスポーツによる認知症予防・認知機能向上

eスポーツはビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉えたもので、国内でも急速に普及が広がりプロ選手も増えています。トップ選手を輩出する若い世代以外にも、障がい者や高齢者といったリアルスポーツに敷居の高い方々への普及が見込まれています。世界で最も超高齢化の進む日本においては、特に脳の活性化などによる認知機能の向上認知症予防いきがいの増進といった効果が期待されており、医療費抑制・健康寿命延伸への寄与を視野に、調査研究が待たれます。

■研究概要

≪研究チーム≫

夏目季代久教授(九州工業大学大学院生命体工学研究科、FeRCリサーチ部会委員)

磯貝浩久教授(九州産業大学人間科学部スポーツ健康科学科、FeRC理事長)

西薗秀嗣教授(九州産業大学人間科学部スポーツ健康科学科、FeRCリサーチ部会委員)

阪田俊輔助教(九州産業大学健康スポーツ科学センター、FeRCリサーチ部会委員)

本山清喬助教(九州産業大学健康スポーツ科学センター、FeRCリサーチ部会委員)

溝上雅彦(特定非営利活動法人健康な社会をつくる会理事長、FeRCリサーチ部会委員)

斉藤嘉子(一般社団法人行動評価システム研究所、FeRC事務局)

堤喜彬(九州工業大学大学院生命体工学研究科、大学院生)

安部恵梨菜(九州工業大学情報工学部、学部生)

神崎保孝(臨床心理士、ニワカゲームスアドバイザー、FeRCリサーチ部会委員)

≪協賛≫

大塚製薬株式会社、ニワカソフト株式会社、フィットネスクラブWell-Being

≪後援≫

豊前市

≪研究課題≫

eスポーツ実施を通した地域高齢者の認知症予防

≪概要≫

・「ケアポートぶぜん」にて豊前市65歳以上高齢者約40名を対象とする

・週2回のプログラム(ぷよぷよ・グランツーリスモ)を実施、実施群と対象群に分け調査

・認知症検査、脳波・脳血流量測定・いきがい度評価、健康度診断検査等を研究前後で実施

・研究成果は、学会発表及び学術雑誌投稿など学術的な公表を予定

≪スケジュール≫

・実地調査 2020年10月6日~11月下旬

・データ解析 12月中

・結果公表 12月~1月を予定

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豊前市と【eスポーツいきがい研究事業に関する協定】を締結

2020.10.1

「豊前市 FeRC eスポーツいきがい研究事業に関する協定書」締結について

右から夏目季代久教授、作花浩聡FeRC会長、後藤元秀市長、林田冷子市民福祉部長(豊前市)

プレスリリースはこちら 豊前市協定書調印プレスリリース10月1日(pdf)

協定書調印式

“eスポーツを科学する”産学連携共同研究事業体「福岡eスポーツリサーチコンソーシアム」(通称FeRC/福岡市/会長作花浩聡)は2020年9月28日豊前市(福岡県)との間に【eスポーツいきがい研究事業に関する協定書】を締結、豊前市役所内にて同日調印式を行いました。

 この協定はeスポーツによる高齢者の認知症予防・健康寿命の延伸及び健康増進の向上を図ることを目的としたeスポーツいきがい研究事業に対して、両者が相互に協力する包括的な連携を定めたものです。

■調印式コメント

後藤元秀 豊前市長-豊前市で高齢者研究事業を具体的に進める第一歩が刻まれた。eスポーツといえば若者が0.01秒を競う頭の中のスポーツ、オリンピック種目採用も期待されている。この知的スポーツが高齢者はじめ万人に普及していく中で、豊前市は高齢長寿の方々が多い地域であり、こうした方々がeスポーツを通じて心身共により楽しくなる、脳の活性化、健康寿命が伸びていく。そんなチャンスを与えてくれるのではないかと考えている。研究事業を通じてもし実証できれば、“豊前スタイル”として全国に広がっていく、そんな夢も描けるのではと期待している。FeRCの調査研究を豊前市として全力でバックアップしていきたい。

 

作花浩聡 FeRC会長-この豊前市での高齢者研究をきっかけに、全世代にeスポーツが文化として定着できるようにFeRCとして貢献していきたい。また、「地域活性化×eスポーツ」も大切なキーワード。オンライン配信によりイベントは全国どこでも開催でき、世界に発信が可能。例えば豊前で行ったイベント配信を通じて「豊前市に行ってみたい」と思ってもらえるような地域活性化・地域創生効果も充分持っているのがeスポーツ。いろいろな壁を払拭できるeスポーツの効果を常に念頭におきながら、調査研究に取り組みたい。

夏目季代久 九州工業大学教授-eスポーツは様々な種目があるが、高齢者の認知機能増強にどのような効果があるか諸外国の報告を踏まえながらしっかりと調査していきたい。認知機能増強によっていきがいの促進になればと思う。また、このような研究事業が豊前市を起点に全国に広がっていくよう努力していきたいと考えている。

 

 

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