FM福岡 【Have Fan!!e-sports】鈴木事務局長出演

2020.9.27
FM福岡 の番組【Have Fan!!e-sports】に、FeRC鈴木達朗事務局長が出演しました。
FM福岡は福岡に根ざす局として、e-sportsに携わる人々とのトークを通じて積極的にe-sportsのサポート&発信をしています。
パーソナリティ西川さとりさんは素敵なお人柄とアットホームな雰囲気のなかで楽しく話を引き出して下さり、おかげさまで話が盛り上がったことから2週連続の出演となりました。
①9月17日(木)25:00~放送分
 フェルク設立に関わった経緯、2020年2月に設立されたフェルクの現況、進行中の3つのリサーチなどについて。
右:パーソナリティ西川さとりさん 左:鈴木事務局長
②9月24日(木)25:00~放送分
 鈴木事務局長の本業である弱視斜視治療の支援連携プロジェクト「みるみるプロジェクト」について、またeスポーツと眼について。eスポーツへの社会のイメージについては明治時代の「野球害悪論」などを挙げながら“物事へのイメージは時代と共に変遷する”など。
みるみる手帳
FM福岡収録スタジオにて
FM福岡 【Have Fan!!e-sports】は将来eスポーツで活躍する未来人の育成を目指して、関わる人々が毎週様々に出演しています。
(これまでの主な出演者)
中島賢一さん(福岡eスポーツ協会会長)☆古賀聡さん(ニワカソフト株式会社代表取締役)☆作花浩聡会長(大原学園福岡校eスポーツ部顧問)☆磯貝浩久理事長(九州産業大学)☆西薗秀嗣教授(九州産業大学)☆谷川剛士先生(TECH.C福岡)☆伊藤僚洋先生(FPSゲーミングコーチ)☆大原学園eスポーツ部の皆さん☆神崎保孝先生(臨床心理士)☆ニワカゲームス古川選手、荒木選手、龍選手 その他多数
ラジオクラウド(スマホアプリ)で過去放送分も聴けます。宜しければお聴きください。
 
 
続きを読む

プレスリリース配信【会員限定セミナー報告】20年8月31日

2020.8.31

2020年8月31日配信プレスリリース

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000064566.html

福岡発のeスポーツ研究組織「福岡eスポーツリサーチコンソーシアム」(FeRC)eスポーツセミナー第1弾を開催

心理学の専門家「eスポーツやゲームの健全かつ健康的な活用のために『学術的有用性』を明らかにするべきだ」と提言

福岡eスポーツリサーチコンソーシアム    2020年8月31日 13時20分
 
福岡の大学・専門学校の教員やIT企業の役員などが今年2月に「eスポーツを科学する」を理念に立ち上げた「福岡eスポーツリサーチコンソーシアム」(FeRC)が8月19日(水)、会員限定のeスポーツセミナーをオンライン上で初開催しました。
当日はFeRCに参画している研究者が、eスポーツ分野の知見を講演する「研究者講演」、会員企業がeスポーツ関連商品をプレゼンテーションする「企業ミニセミナー」を催したほか、現在進行中のeスポーツ研究の進捗状況も報告され、まさにeスポーツ談議が目白押しの夏夜となりました。

FeRCは福岡発のeスポーツ専門研究組織

「福岡eスポーツリサーチコンソーシアム」(FeRC)は、「eスポーツを科学する」のミッションのもと、主に福岡県内の大学・専門学校の教員をはじめとする有識者やIT企業の役員などの関係者が集結し、今年2月に発足しました。目下、eスポーツの機能を科学的に解明し、eスポーツの普及・発展、そして選手の健全育成に寄与するため、実験・調査や学会発表などの研究活動に取り組んでいます。

福岡発のeスポーツ研究組織。全国的にも珍しい
2020年2月設立総会時会員(一部)作花会長・磯貝理事長の呼びかけにより設立

これまで、FeRC理事長で九州産業大教授の磯貝浩久先生の研究チームが行ったeスポーツのトップ選手を被験者とした実験では、eスポーツのパフォーマンスアップに認知トレーニングが有効である可能性が既に明らかにされています。現在は、高齢者を対象としたeスポーツの機能性に関する研究や、eスポーツが人体の自律神経などに与える効果測定など複数のプロジェクトが進行中で、特に高齢者研究では県内の自治体からも全面的な後援を受け、注目されています。
そのほか、eスポーツ市場向けの商品開発で地元企業とコラボレーションを行うなど、eスポーツを活用した地域社会の活性化にも力を注いでおり、研究組織の特長を活かしたFeRCの新たな試みに、産官学やメディアからも関心が寄せられています。
FeRCは当初、福岡市科学館(福岡市中央区)で今年3月にeスポーツセミナーなどの啓発イベントを予定していましたが、当時の新型コロナウィルス感染症の感染拡大状況に配慮して開催を延期。オンライン上で行うウェビナーに形式を改め、今回がeスポーツセミナーの初開催となりました。

写真:研究活動を後援する福岡県豊前市の後藤元秀市長(中央)FeRC作花浩聡会長(左)FeRC磯貝浩久理事長(右)
写真:地元民放RKBの「発掘ゼミ!!」取材を受けた磯貝理事長(左)と番組リポーターのPA:LADIN Taichiさん

【セミナー報告①】日本初、心理学とeスポーツの「二刀流」講師が登壇

研究者講演では、FeRC運営会員で参画研究者臨床心理士・神崎保孝先生が「臨床的に見るeスポーツの機能と課題」をテーマに登壇しました。神崎先生は、普段は教育委員会スーパーバイザー、総合病院アドバイザー、民事訴訟事件裁判鑑定人などとして、学校や病院でカウンセリングなどの臨床活動、教員や医療従事者への研修指導を務めています。一方、日本で初めて心理学の専門家としてeスポーツチーム「ニワカゲームス」と顧問契約を結び、メンタルアドバイザー・メンタルコーチの立場でeスポーツ選手の指導に当たっている「心理学とeスポーツの二刀流」です。
ニワカゲームスは、FeRC会員企業の「ニワカソフト株式会社」が立ち上げた地元福岡のeスポーツチームで、今や「グランツーリスモ」の国体準優勝選手らを擁する日本トップレベルのeモータースポーツチームです。今シーズンは、国体福岡県代表選手を4名輩出したほか、プロレーサーも参戦した「JeGT GRAND PRIX」でもチーム優勝を飾りました。

また、神崎先生自身が学生時代に大手ゲーム会社プロデューサーからの依頼で企画参加した経験を持つためゲームに造詣が深く、「ゲーム症(障害)」が新設されたWHOのプロジェクトにも参加経歴がある専門家としての立場から、eスポーツやゲームの健全かつ健康的な活用の啓発のためメディアなどにも出演しています。

講演では、主に教育や医療の分野からゲームに対して厳しい目が向けられている現実を指摘しながらも、将来eスポーツ選手になることを夢見て闘病を続ける小児患者の臨床ケースについて解説。また、メディアを通じてFeRCの研究活動を知った知人教員がゲームに対する見方を変えた例が紹介され、FeRCの取り組みによってゲームの「学術的有用性」を明らかにし、現在の「競技性」「エンターテイメント性」と三本柱を組むことで、将来的に社会におけるeスポーツやゲームの健全かつ健康的な活用を目指すことができると提言しました。

写真:FM FUKUOKA「Have Fun!! e-sports」出演時の神崎保孝先生(右)とパーソナリティ西川さとり氏
図:神崎先生はFeRCの取り組みによって「学術的有用性」「競技性」「エンターテイメント性」の三本柱でeスポーツやゲームを健全かつ健康的に活用する提言を行いました

【セミナー報告②】眼科医療機器最大手がeスポーツチームと共同開発したゲーミンググラスを紹介

企業ミニセミナーでは、FeRC会員企業の「株式会社ニデック」の高橋大氏が登壇しました。ニデックは、覗き込むと気球が見える視力検査機器でお馴染みの、世界的なシェアを持つ日本の眼科医療機器リーディングカンパニーです。高橋氏は、eスポーツ市場向けに展開している商品として、eスポーツチーム「DetonatioN Gaming」と共同開発したゲーミンググラス「G-SQUARE」についてプレゼンテーションを行いました。

G-SQUAREは、eスポーツの生命線である目を保護し集中の持続や疲労の軽減をサポートするために開発された眼鏡で、「レクアメッシュ・コーティング」と呼ばれる六角形の網目状の特殊なコーティングをレンズに施すことで、まぶしい光の透過を抑えて視認性を高められるように設計されています。また、ゲームプレイ中にヘッドセットを長時間着用することを想定し、フィッティングしやすく頭部や耳周辺部への負担を軽減できるようにフレームの素材や長さも調整されています。

ミニセミナーでは、これらのG-SQUAREの特長や開発経緯が説明されたほか、プロeスポーツ選手を監修として巻き込み、「ファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)向け」や「格闘ゲーム向け」など、eスポーツのジャンルごとに推奨されるレンズカラーの開発案について提案がありました。

写真:株式会社ニデックがeスポーツチーム「DetonatioN Gaming」と共同開発したゲーミンググラス「G-SQUARE」

FeRCは今後もeスポーツセミナーの毎月開催を計画しており、次回は9月19日(土)に開催予定です。詳細はFeRC公式ホームページまで。

▼「eスポーツを科学する。」福岡eスポーツリサーチコンソーシアム(FeRC:フェルク)
■HP:https://www.ferc.jp
┣研究者の眼

┣西薗秀嗣先生(FeRC運営会員・九州産業大教授):https://www.ferc.jp/research/n20200806/
┣森田泰暢先生(FeRC運営会員・福岡大准教授):https://www.ferc.jp/research/jul07-2020/
┣磯貝浩久先生(FeRC理事長・九州産業大教授):https://www.ferc.jp/research/jul03-2020/
┗神崎保孝先生(FeRC運営会員・臨床心理士・ニワカゲームスアドバイザー):https://www.ferc.jp/research/may14-2020/

■Twitter:https://www.twitter.com/Fukuoka_eRC
■Facebook:https://www.facebook.com/FeRCesports
■Instagram:https://www.instagram.com/fuk_erc


本プレスリリースに関するお問い合わせは、FeRC事務局までご連絡ください

info@ferc.jp (事務局:鈴木/斉藤)

続きを読む

リリースページ【研究者の眼】西薗秀嗣教授①②③全公開

2020.8.11

フェルクの参画研究者の知見を紹介する【研究者の眼】

第5回、西薗教授へのインタビュー①  全編公開しました。2020/08/11

当ホームページ【リリース】ページ 「研究者の眼」にてご覧ください。鹿屋体育大学などで永年人間の仕組みを探求して来られた西薗教授が、なぜeスポーツ研究に取り組まれるに至ったか。ワクワクする人間の可能性の豊かさを感じる、素晴らしいお話をうかがいました!ぜひご一読を!

写真:西薗教授研究室にて

フェルクは「eスポーツを科学する」理念のもと、様々な専門分野の研究者が参画しています。【研究者の眼】は、急激な発展途中にあるeスポーツについて、様々な情報が交錯するなか、各研究者が自身のeスポーツ研究に関連する知見を広く皆様に知って頂こうとするコーナーです。

続きを読む

【研究者インタビュー】西薗教授に聞く③

2020.8.10

【研究者の眼】西薗秀嗣教授インタビュー③

参画研究者の知見をご紹介する企画「研究者の眼」

西薗秀嗣教授(九州産業大学人間科学部スポーツ健康科学科)インタビュー最終回!生理学・バイオメカニクス・トレーニング科学・臨床心理学…幅広い研究領域で活躍されて来た西薗教授に、活き活きとeスポーツ研究へのお考えをお話し頂きました。

eスポーツを愛する人々に,ぜひ知って欲しい知的好奇心満載のインタビュー3部作ー③、最終回です。文責:FeRC事務局


(前回の続きから…)

脳の働き、判断メカニズムを調べたい

西薗:eスポーツ研究では、脳の働き、判断メカニズムの研究に取り組みたいですね。我々は、eスポーツで心身ともに元気になるように、“eスポーツを科学する”事が目標です。eスポーツの優秀な選手の能力、どこが凄いのかまず調べたい。その後のトレーニングに繋がるわけですから。

eスポーツ選手の能力を生理学的にいうと、冒頭でも述べた「入力系」(視覚聴覚などから情報を得る)⇒「情報処理系」(脳など中枢神経)⇒「出力系」(正確な操作等)という仕組みになるわけですが、特にこの“脳”は本当に面白い。同時に、脳も含めて、人間のことは全然わかっていなかった。

脳というのはね、「準備」しているんです。人間の運動はずっと前から予測し準備されている。いまだに発生していない事が脳内にはあるんですよ(笑)

事務局:発生していない事が脳に??(混乱)

ここにブレインブックという養老孟司先生監訳の本がありますので引用します。

例えばテニスの試合、相手コートからサーブを打ち込まれます。レシーブ側選手は打ち込まれたボールが実際に見えるのはネットのこちら側に着地した時で、これでは打ち返すのに間に合わない。入力情報が意識にのぼるまで0.5秒さらに身体を動かすのに0.5秒、つまり1秒かかってしまうと、飛んできたボールなんか打ち返せないわけです。ところがレシーブ側選手の脳は、相手がネットの向こう側で動作している時に着地点を予測し、レシーブ動作を脳内で準備する「運動計画」無意識に立案します。これによってボールが見えてから意識的な操作(レシーブ動作)をしても間に合う。これが脳の準備、まだ発生していない事が脳内にある、というわけです。

写真)南江堂「ブレインブック-みえる脳」養老孟司監訳

このあたりのことをeスポーツで研究したいんですよね。脳の集中、予測、決定、脳から命令が下りてきて動く。eスポーツのジャンル別にやってみたい。これで、いかに反応動作を早くするか。いろんな事が見えてくると思いますね。

脳の錯覚・パラドックス

西薗:人間のことはね、全然わかっていなかった。最近でいえば、とある研究があって、サッカーのオフサイドのときの線審。あれは線審の錯覚が関与する事も多い、という事がわかったんです。選手が走りこんで行って後方からボールが蹴り出される。ボールを見ている線審は「選手がそのまま走り続けている」と錯覚しているケースがある、というわけです。見ていない。よく選手が「自分はオフサイドラインを出ていない!」と抗議する場面があるでしょう?あれ、頻度はともかく結果的に選手が正しい事もあったわけですね(笑)それで、現在はビデオ判定などで慎重にジャッジされるようになっているわけです。

西薗教授のお話は人間の可能性の豊かさを感じる

ちょっとまとめますとね。eスポーツでやりたい研究としては、第一に脳の判断メカニズム。第二に判断メカニズム(思い込み、錯覚)を利用した戦術戦略。第三にこうした成果を教育トレーニングに活かそう、という事を考えています。福岡デザイン&テクノロジー専門学校の伊藤先生(編集注:FeRC会員伊藤僚洋氏)などとぜひ研究したいですね!

ちなみに伊藤先生は以前お会いした際に「一流のeスポーツ選手で姿勢の悪い人は一人もいない」とおっしゃっていました。そういうところもしっかり見ていきたいと思います。

事務局:脳のお話し、たいへんに刺激的で面白いです!

西薗:脳は、全てを使わないといけません。あらゆる脳の箇所。視覚・聴覚。前頭前野・創造的なところ。一概に言えないかもしれないけど、芸術家は長生きする。脳のすべてを使っているからだと思いますね。私自身、二科会員の有川基雄先生(注:2018年逝去。二科会会員)に絵を習って月2回、10年ほど通って描いてました。いろいろな事を感じ、イメージしながら書くので「脳をすごく使っている」と実感しましたね。

写真)研究室に飾られている有川基雄先生の絵画「競う」

文化は”遊び”から生まれる

事務局:「勉強だけ」「〇〇だけ」は必ずしも良くはないのですね。

西薗:勉強して・読んで・理解して・試験を…脳のごく一部の、これだけでは人間、良くありませんね。だいたい人間は楽しい事はやりますからね。ロジェ・カイヨワという人の「遊びと人間」という本があるのですが、人間の文化は遊びから生まれる、と言っています。遊びの中から文化が生まれてきたのです。いろんな遊びがある、そのなかの“ゲーム”というのは競争なんですね。競争からゲームが生まれ、スポーツが生まれた。 ※編集注:カイヨワは著書で遊びを競争・運・模擬・眩暈のどれかの性質があると提示した

写真)ロジェ・カイヨワ著「遊びと人間」1961年

スポーツは全身運動で、eスポーツは部分運動(指だけとか限定的)という違いはあるのですが。ともかくね、人間そもそも遊びから、研究も社会生活もどんどん発展してきたと考えています。そう根本的に、楽しいという感覚。楽しい!好き!であることから発展して来たのだと。ゲーム・スポーツ、その中にeスポーツも入っていく。そう思っています。

事務局:西薗教授、お忙しいなか、ありがとうございました!

西薗教授インタビュー3部作、いかがでしたでしょうか。eスポーツ研究に取り組まれるなかに、人間の可能性の豊かさを感じる素晴らしいお話をうかがうことが出来ました。活き活きと語られる教授のお人柄にもあらためて感銘する時間でした。文責:FeRC事務局


【西薗秀嗣】にしぞのひでつぐ 九州産業大学人間科学部スポーツ健康科学科 教授

1950年(昭和25年)大阪生まれ,1964年東京オリンピックをみて現在の道へ。1979年東京大学大学院教育学研究科博士課程修了,教育学博士。北海道大学教育学部講師,鹿屋体育大学助教授,カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)生理学部客員教授。鹿屋体育大学ではスポーツトレーニング教育研究センター教授,スポーツ生命科学系教授など歴任,2016年名誉教授。同大退官後,九州産業大学にて現職。九州大学体育連合理事長(2019年~)「体育・スポーツ教育研究」編集委員長 (2019年~)鹿児島県スクールカウンセラー(2004年~2015年)「超人たちのパラリンピック」企画/監修/出演(NHK BS1 2017.10.28放映)趣味は絵画(油絵,アクリル画)フォークソング,古代史,読書,サッカー、ウイニングイレブンなど多彩。

続きを読む

【研究者インタビュー】西薗教授に聞く②

2020.8.9

【研究者の眼】西薗秀嗣教授インタビュー②

参画研究者の知見をご紹介する企画「研究者の眼」

フェルク研究者の中でも永年にわたる幅広い研究領域をもち、活き活きとしたお人柄がひときわ魅力的な西薗秀嗣教授(九州産業大学人間科学部スポーツ健康科学科)インタビュー②です。生理学・バイオメカニクス・トレーニング科学・臨床心理学…幅広い研究領域で活躍されて来た西薗教授が、なぜeスポーツ研究に取り組まれるに至ったのでしょうか?

eスポーツに関わる人々に,ぜひ知って欲しい知的好奇心満載のインタビュー、3部作-②ぜひご一読を! 文責:FeRC事務局


eスポーツ研究成果で“教育”を

(前回の続きから…)

西薗:私がやりたいeスポーツ研究は、“教育”です。

事務局:えぇっ⁉教育⁉(混乱)……西薗教授、そういえば名刺に「教育学博士」と…

西薗:私が大学で頂いた博士号は、教育学です。人間は子どもから年を経て~高齢者に至るわけですが、そのときどきにどのような刺激・教育を与えて変わっていくのか。eスポーツ研究を通じて、これがやりたいのです。研究していろいろなメカニズムを調べて知見をまとめて、それで終わり!ではなくてね。研究成果を社会に還元とよくいいますが、教育という形でフィードバックしたい。年齢性別いろいろな人々、それぞれに合ったようにトレーニングしていくこと。教育学的な観点でやりたいですね。

そのあたり、研究に基づいたちゃんとした教育がなされていないから、日本では特にeスポーツが叩かれたりする。まだ我々が充分に、保護者だとか学校の先生などに理解できるようなことをしゃべっていない。だからダメで、メンタルな方面も含めて研究して、教育に活かしたいと考えています。

写真)西薗教授著書。発育期から高齢までそれぞれに応じたエクササイズの科学。

どこかでナンバーワンに

西薗:サッカー選手とeスポーツ選手とを並べたら、やはり体格だとか個性だとかも大きく違いますよね。それぞれに合ったトレーニングや刺激というものがあるはずです。

人間というのは誰しもが才能を持っていて、どこかでナンバーワンになる才能を持っているんです。それをどこかで引き出すのが我々の仕事だと思っています。

子どもたちに、勉強もeスポーツもリアルスポーツもうまく共存してできるような、そういう取り組みにすると絶対いい方向に進みますよ。たとえば、3時間ピアノを練習しても「まだやってるのか!」とは誰も叱らないですよね(笑)たぶん褒められる。でもゲーム3時間していたら、親は「いい加減にしろ!」と叱りますよね。ゲームを長い時間やって良いとか悪いとかの前に、上手な共存、バランスがあると思っています。

写真:人誰しもが才能を持っている、という言葉には言い知れぬ力が

事務局:研究成果を教育に活かしてこそ、というお言葉たいへん感銘しました。西薗教授はこれからのeスポーツ研究をどのようにお考えでしょうか?

西薗:eスポーツ研究は世界各国で行われていますが、まだ個別の研究に終始している印象です。人間の細かな能力や年齢性別・生活環境・反応時間・メンタル…eスポーツをめぐる研究はあまりにも対象領域が広い。ですからまず、システム的にいろんな人が研究できることが大切ですね。それとプレーヤーの側の事になりますが、誰でもどこでもプレイ出来る環境を目指す方向ができることも重要と思います。ゲームタイトルが、例えばこれはプレイステーション用、これはPCのみ、などプレイできる環境が限られていますよね。もう少し、このあたり業界が何とかしてできないかな。かつて電話回線はNTT(旧電電公社)だけのものでしたが、現在は電話会社は多数ありますよね。こう、世の中のためにそういう垣根を無くしていく方向性があると良いですね。

事務局:確かに、サッカーが世界中で愛される理由の一つに、ボール一つあればどこでも出来る、という究極的なものがありますしね。ところでサッカー、教授もたいへん愛好されているそうですね。

西薗:いまでも(リアルスポーツの)サッカーやっています。コロナ禍でマスクしながらしたりね。eスポーツのウィニングイレブンも楽しんでいます。コロナでサッカーが出来ない時に、eスポーツでサッカーセンスを養う、こうした事もとても大切だなと身をもって感じますね。

画像)教授も楽しんでいるウイニングイレブン(HPより)

脳の使い方

事務局:教育に活かすため、具体的に教授が構想されているeスポーツ研究はどのようなものでしょうか?

西薗:の働き判断メカニズムパラドックスというのはね、準備しているんです…続

事務局:eスポーツ研究のキーワード、脳!

脳のパラドックスとは?脳が準備している⁉

eスポーツを愛する方々にもぜひお読み頂きたい、何とも鮮烈なインタビューの続きは、次回!


 

【西薗秀嗣】にしぞのひでつぐ 九州産業大学人間科学部スポーツ健康科学科 教授

1950年(昭和25年)大阪生まれ,1964年東京オリンピックをみて現在の道へ。1979年東京大学大学院教育学研究科博士課程修了,教育学博士。北海道大学教育学部講師,鹿屋体育大学助教授,カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)生理学部客員教授。鹿屋体育大学ではスポーツトレーニング教育研究センター教授,スポーツ生命科学系教授など歴任,2016年名誉教授。同大退官後,九州産業大学にて現職。九州大学体育連合理事長(2019年~)「体育・スポーツ教育研究」編集委員長 (2019年~)鹿児島県スクールカウンセラー(2004年~2015年)「超人たちのパラリンピック」企画/監修/出演(NHK BS1 2017.10.28放映)趣味は絵画(油絵,アクリル画)フォークソング,古代史,読書,サッカー、ウイニングイレブンなど多彩。

続きを読む