日刊工業新聞 磯貝理事長インタビュー掲載

2022.5.26

日刊工業新聞2022年5月16日紙面 磯貝浩久理事長インタビューが掲載されました。

著者登場~『℮スポーツの科学』 科学的エビデンスで健全な発展後押し 磯貝浩久氏(九州産業大学人間科学部教授)

2021年12月に発売されたFeRC初監修本『℮スポーツの科学』(編著:磯貝浩久/西園秀嗣)についてのインタビューです。

℮スポーツを科学の視点で捉えた『℮スポーツの科学」は好評発売中!

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豊前市高齢者eスポーツ第二次研究スタート

2021.12.5

豊前市における高齢者eスポーツ生きがい研究事業の第二次研究が2021年11月スタートしました。

この研究は、福岡県豊前市の高齢者を対象としeスポーツのいきがい認知症予防などの調査研究を行うもので、九州産業大学/九州工業大学を中心とした研究チームが第二次研究を2021年11月スタートさせました。

“太鼓の達人”でリサーチ

第二次研究ではeスポーツ種目に太鼓の達人が採用されました。

2021年11月から豊前市内公民館にお集まりの被検者にご協力いただき、脳情報工学の専門家による脳波測定をはじめ、認知機能テストなどを行います。一定期間継続的にeスポーツを楽しんでいただき、これらの変化をリサーチするします。

豊前市公民館で実施
脳情報工学専門家による脳波測定
太鼓の達人にチャレンジ!
レクチャーしながら一緒に楽しむシーンも
認知機能テストの模様

太鼓の達人は従来のゲームコントローラーに不慣れな方でも馴染みやすく、ゲームとして親しみやすいタイトルですね。

会場では音楽に合わせ楽しそうに取り組んでくださる被検者から笑顔が溢れていました。わずかな時間ですぐにゲームにも慣れていただき、「これから楽しみ!」「孫と一緒にやれるように頑張りたい」などとても嬉しいお声も上がり、eスポーツによる生きがいや社会性の向上を早くも感じさせる素敵な雰囲気でした。

笑顔が溢れるシーンが広がる
FeRCは高齢者eスポーツ研究を継続していきます

eスポーツによる健康寿命延伸や地域活性化はいま多くの自治体が注目し、取り組みが始まっている地域も増えています。

FeRCは2020年10月福岡県豊前市【eスポーツいきがい研究事業に関する協定】を締結。

eスポーツの秘める健康寿命延伸効果に対する研究を進めていきます。

豊前市協定書調印式(2020年)
  • 「豊前市 FeRC eスポーツいきがい研究事業に関する協定書」締結についてはこちら
  • 豊前市一次研究実地レポート ①はこちら ②はこちら 
  • 豊前市生きがい研究事業 一次研究報告公開(抜粋)は こちら
九州産業大学/九州工業大学/BASラボなどで構成される研究チーム
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豊前市研究が日本スポーツ産業学会第30回大会で発表されました

2021.7.13

豊前市における高齢者eスポーツ研究が、日本スポーツ産業学会第30回大会で発表されました。

日本スポーツ産業学会第30回大会(2021年7月10日(土)~11日(日)

【一般研究発表】

 『eスポーツの実施が高齢者の認知機能及び幸福感に及ぼす影響 *』
(発表者)斉藤嘉子 (九州工業大学大学院 生命体工学研究科 ))

** 共同研究者: 夏目季代久 (九州工業大学 )*** 神崎保孝 福岡県教育委員会 東京大学大学院 医学系研究科 ))**** 堤喜彬 (九州工業大学大学院 生命体工学研究科 ))***** 磯貝浩久 (九州産業大学 )******

発表者の斉藤嘉子先生は九州工業大学大学院 生命体工学研究科博士号課程の研究者です。FeRC事務局も兼任し、一般社団法人行動評価システム研究所主席研究員としても活躍されています。

斉藤嘉子先生コメント

 グランツーリスモぷよぷよは私自身プレイしてみて難しいと感じたのですが、今回実験参加くださった高齢者の皆様は期間中楽しんでしっかりプレイされていました。これには驚くと同時に、eスポーツの大きな可能性を感じる事にもなりました。
 実験現場で丁寧に使い方などをガイドしてくださったスポーツクラブスタッフ皆様にもあらためて感謝申し上げます。
 新しいことにチャレンジすることは、歳とともに億劫になっていくものですが、若者が教えることによって世代間交流が深まり、高齢者の生きがい幸福感認知機能の向上などに繋がっていくのではないかと期待しています。

発表された抄録はこちらのページで公開しています。リリースページ⇒調査レポート


【豊前市における2020年高齢者eスポーツ研究関連ページ一覧】

豊前市と【eスポーツいきがい研究事業に関する協定】を締結

九州工業大学・九州産業大学を中心とした研究チーム10月6日~調査開始

豊前市高齢者研究 実地リポート①

豊前市高齢者研究 実地リポート②

2020年度【豊前市研究事業】報告会

【公開】2020年度豊前市研究事業報告資料(抜粋)

 

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2020年度FeRC研究紹介

2021.4.11

FeRCは2021年2月で設立1周年を迎えました。この1年間でのeスポーツ研究についてご紹介します。

この1年間の研究の紹介

①eスポーツプレイヤーのパフォーマンスと関連する認知要因の実験的検討(2020年)

FeRCの第一弾研究となったこのリサーチは、eスポーツにおいて「どう判断しているか」「どこを見ているか」といった認知要因について研究したもの。特に複数のものを同時に見る能力=複数対象追跡のスキルが上がると、グランツーリスモのタイムが短縮されたという結果が得られました。このようなトレーニングを行う事でタイムをもっと短く出来るのではないかという可能性が示された研究です。なお、この研究での複数対象追跡トレーニングはカナダモントリオール大学で開発され世界中で研究対象となっているニューロトラッカーが用いられました。

複数対象追跡(MOT)スキルトレーニングとして活用されるニューロトラッカー
研究では博多を拠点とするニワカゲームス選手が協力

ニューロトラッカーは特にeスポーツのみならず、一般の運転スキルの向上、リアルスポーツアスリートによる競技スキル向上、学習時における集中力持続時間向上などが期待され、幅広い分野で活用されています。

②競技レベルの違いによるeスポーツプレー中の視覚探索方略及び感情状態の比較(2020年)

感情状態はeスポーツプレー中の脳波を測定し、熟練者と非熟練者を比較しました。熟練者はプレー中もリラックスした状態をキープし、途中不安になったりせず安定した脳波の状態でプレーが出来ている事が明らかになりました。非熟練者は場面によって興奮したりするなど感情の起伏がみられました。eスポーツ熟練の為には、感情の起伏を抑えコントロールするトレーニングが重要ではないかと示唆されました。

研究にあたる古門良亮先生(西日本工業大学)
FPS熟練プレーヤーは画面のどこを見ているか

視覚探索方略は、プレー中いつどこをどれくらい見ているか、という測定を行いました。熟練者と非熟練者で大きな違いがあり、熟練者は味方の動きをよく見る事が多いという事が数値として明確に確認できました。チームプレー、チームワークが重要なゲームにおいてこれはたいへん面白い結果でした。

③ゲーミンググラスがeスポーツ使用時の自律神経に及ぶ影響(2021年) 詳細はこちらを参照

eスポーツによって身体的精神的疲労が考えられますが、それらに対してゲーミンググラスがどのような影響を及ぼすのか調査しました。結果、ゲーミンググラス(ニデック社G-SQUARE)を使用すると疲れにくくなることが自律神経のデータから明らかになりました。

G-SQUAREとニデック社インタビュー記事はこちら  

TEHC.C福岡でのプレーヤー自律神経測定
G-SQUAREウェブサイトにて公開

④eスポーツ実施を通した地域高齢者の認知症予防(2021年) 一般公開資料はこちらを参照

福岡県豊前市との協定に基づき行いました。eスポーツ(グランツーリスモ・ぷよぷよ)をおこなった群とおこなわなかった群にわけ様々な指標で評価しました。まず一つ、高齢者の生きがい・幸福感が変わるのか調べたところ、明確ではないがeスポーツをおこなった群は実施後の方が「昔の自分を取り戻した」傾向が見られました。認知機能そのものはトレイルメイキングテストとワンバックタスクによって脳の情報処理能力について調べました。これもeスポーツ実施による改善傾向が見られました。身体能力においては開眼片足立ちと握力について調べたところやはり向上の傾向が見られました。※豊前市報告会の模様はこちら

豊前市では後藤市長も参加の対戦会開催も
開眼片足立ち測定。eスポーツによる身体能力の変化も調査

対象人数がそれほど多くなかったので明確な差として出せるまではいきませんでしたが、このように良い影響の可能性として示されたことが大きかったです。今後は対象者を増やしながら継続的に研究していきたいと思っています。豊前市後藤市長はたいへん積極的にeスポーツにも期待を寄せられ、後藤市長との対戦会は大いに盛り上がり、高齢者に対するeスポーツの可能性の大きさ・楽しさを感じました。

今後の展望について

作花会長:豊前市研究を評価頂いた会員企業リーフラス株式会社さんが、大分県中津市の温泉宿泊施設コアやまくに内にeスポーツ機材を揃え、地域で愛されるeスポーツ施設山国eeeスポーツフィールドをオープンさせました。(オープニングイベントの模様はこちら)このように各地域で気軽に皆で楽しめるeスポーツの動きに繋げて行けたらと考えています。また普及に伴い増えるeスポーツプレーヤーに対するアンケートリサーチも進めて行く予定です。

磯貝理事長:研究方面の展望として、FeRCの研究者や企業の共同執筆で「eスポーツの科学的な視点」で執筆した本を出版予定です。(2021年9月に向け執筆中)またこれまで自然科学的な研究が多かったのですが、今後はこれに加え社会科学、例えば町おこしのコミュニティ的な研究でまとめてみるなど、幅広い参画研究者のお力でやって行きたいと考えています。

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FM福岡 【Have Fan!!e-sports】最終回!作花会長&磯貝理事長W出演

2021.3.26

FM福岡 【Have Fan!!e-sports】3月25日最終回!作花会長&磯貝理事長W出演しました

右から)パーソナリティ西川さとりさん、作花浩聡会長、磯貝浩久理事長

FM福岡 【Have Fan!!e-sports】最終回

福岡のeスポーツに取り組む様々な関係者が出演する同番組、残念ながら今回をもって最終回、いったん終了だそうです。FeRCからも多数出演させていただき、“eスポーツを科学する”という取り組みにたいへん共感して下さった同番組と西川さとりさんに感謝いたします。

同番組3月25日分のブログはこちら

ラジオでのトーク概要についてご紹介します!

この1年間の研究の紹介

①eスポーツプレイヤーのパフォーマンスと関連する認知要因の実験的検討(2020年)

FeRCの第一弾研究となったこのリサーチは、eスポーツにおいて「どう判断しているか」「どこを見ているか」といった認知要因について研究したもの。特に複数のものを同時に見る能力=複数対象追跡のスキルが上がると、グランツーリスモのタイムが短縮されたという結果が得られました。このようなトレーニングを行う事でタイムをもっと短く出来るのではないかという可能性が示された研究です。なお、この研究での複数対象追跡トレーニングはカナダモントリオール大学で開発され世界中で研究対象となっているニューロトラッカーが用いられました。

複数対象追跡(MOT)スキルトレーニングとして活用されるニューロトラッカー
研究では博多を拠点とするニワカゲームス選手が協力

ニューロトラッカーは特にeスポーツのみならず、一般の運転スキルの向上、リアルスポーツアスリートによる競技スキル向上、学習時における集中力持続時間向上などが期待され、幅広い分野で活用されています。

②競技レベルの違いによるeスポーツプレー中の視覚探索方略及び感情状態の比較(2020年)

感情状態はeスポーツプレー中の脳波を測定し、熟練者と非熟練者を比較しました。熟練者はプレー中もリラックスした状態をキープし、途中不安になったりせず安定した脳波の状態でプレーが出来ている事が明らかになりました。非熟練者は場面によって興奮したりするなど感情の起伏がみられました。eスポーツ熟練の為には、感情の起伏を抑えコントロールするトレーニングが重要ではないかと示唆されました。

研究にあたる古門良亮先生(西日本工業大学)
FPS熟練プレーヤーは画面のどこを見ているか

視覚探索方略は、プレー中いつどこをどれくらい見ているか、という測定を行いました。熟練者と非熟練者で大きな違いがあり、熟練者は味方の動きをよく見る事が多いという事が数値として明確に確認できました。チームプレー、チームワークが重要なゲームにおいてこれはたいへん面白い結果でした。

③ゲーミンググラスがeスポーツ使用時の自律神経に及ぶ影響(2021年) 詳細はこちらを参照

eスポーツによって身体的精神的疲労が考えられますが、それらに対してゲーミンググラスがどのような影響を及ぼすのか調査しました。結果、ゲーミンググラス(ニデック社G-SQUARE)を使用すると疲れにくくなることが自律神経のデータから明らかになりました。

G-SQUAREとニデック社インタビュー記事はこちら  

TEHC.C福岡でのプレーヤー自律神経測定
G-SQUAREウェブサイトにて公開

④eスポーツ実施を通した地域高齢者の認知症予防(2021年) 一般公開資料はこちらを参照

福岡県豊前市との協定に基づき行いました。eスポーツ(グランツーリスモ・ぷよぷよ)をおこなった群とおこなわなかった群にわけ様々な指標で評価しました。まず一つ、高齢者の生きがい・幸福感が変わるのか調べたところ、明確ではないがeスポーツをおこなった群は実施後の方が「昔の自分を取り戻した」傾向が見られました。認知機能そのものはトレイルメイキングテストとワンバックタスクによって脳の情報処理能力について調べました。これもeスポーツ実施による改善傾向が見られました。身体能力においては開眼片足立ちと握力について調べたところやはり向上の傾向が見られました。※豊前市報告会の模様はこちら

豊前市では後藤市長も参加の対戦会開催も
開眼片足立ち測定。eスポーツによる身体能力の変化も調査

対象人数がそれほど多くなかったので明確な差として出せるまではいきませんでしたが、このように良い影響の可能性として示されたことが大きかったです。今後は対象者を増やしながら継続的に研究していきたいと思っています。豊前市後藤市長はたいへん積極的にeスポーツにも期待を寄せられ、後藤市長との対戦会は大いに盛り上がり、高齢者に対するeスポーツの可能性の大きさ・楽しさを感じました。

今後の展望について

作花会長:豊前市研究を評価頂いた会員企業リーフラス株式会社さんが、大分県中津市の温泉宿泊施設コアやまくに内にeスポーツ機材を揃え、地域で愛されるeスポーツ施設山国eeeスポーツフィールドをオープンさせました。(オープニングイベントの模様はこちら)このように各地域で気軽に皆で楽しめるeスポーツの動きに繋げて行けたらと考えています。また普及に伴い増えるeスポーツプレーヤーに対するアンケートリサーチも進めて行く予定です。

磯貝理事長:研究方面の展望として、FeRCの研究者や企業の共同執筆で「eスポーツの科学的な視点」で執筆した本を出版予定です。(現在年内出版に向け執筆中)またこれまで自然科学的な研究が多かったのですが、今後はこれに加え社会科学、例えば町おこしのコミュニティ的な研究でまとめてみるなど、幅広い参画研究者のお力でやって行きたいと考えています。


FM福岡 【Have Fan!!e-sports】は将来eスポーツで活躍する未来人の育成を目指して、関わる人々が毎週様々に出演してきました。
(これまでの主な出演者)
中島賢一さん(福岡eスポーツ協会会長)☆古賀聡さん(ニワカソフト株式会社代表取締役)☆作花浩聡会長(大原学園福岡校eスポーツ部顧問)☆磯貝浩久理事長(九州産業大学)☆西薗秀嗣教授(九州産業大学)☆谷川剛士先生(TECH.C福岡)☆伊藤僚洋先生(FPSゲーミングコーチ)☆大原学園eスポーツ部の皆さん☆神崎保孝先生(臨床心理士)☆ニワカゲームス古川選手/荒木選手/龍選手/小田英天取締役/eスポーツ事業部太田寛さん☆鈴木達朗事務局長(FeRC)☆古門良亮先生(西日本工業大学)☆夏目季代久教授(九州工業大学)☆平良美津子先生(福岡市立こども病院眼科視能訓練士)☆井上一馬さん(リーフラス株式会社専務執行役員)☆TECH.C福岡福田歩先生塩川実都先生その他多数
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