【イベントレポート】シルバー℮スポーツ体験会

2022.6.1

FeRCに参画されている作業療法士/大川照明先生(福岡天神医療リハビリ専門学校校長)によるシルバー℮スポーツ体験会が福岡市内で行われました。

注目のシルバー℮スポーツ

シルバー層(高齢者)の℮スポーツ活用は、最も注目される局面の一つです。我が国は65歳以上高齢者3,640万人 人口比率29.1%(2021年9月総務省統計トピックス)。2位のイタリアを5%以上上回るまさに世界に例のない超高齢社会を進んでいます。

℮スポーツ活用は健康寿命延伸、認知症予防などへ大きな期待が寄せられ、Ⅹ地方活性化のキーワードとあわせ全国で活用や研究の動きが拡がっています。

FeRCも設立以来シルバー層×地域活性化に着目し、2020年9月福岡県豊前市と締結した「豊前市 FeRC eスポーツいきがい研究事業に関する協定書」に基づき、2020年度第一次研究を行い、現在同じく豊前市において第二次研究が進行中です。

2020年度【豊前市研究事業】報告会の模様
【FeRC第一次研究結果概要より】
幸福感がeスポーツによって高められる可能性、実行/遂行機能注意機能の改善される可能性、短期(作動)記憶処理の改善される可能性、配分性注意認知的柔軟性の低下が抑制される可能性が示唆され、身体機能が部分的に改善された。

作業療法士も注目

大川照明先生(作業療法士/福岡天神医療リハビリ専門学校校長)は、FeRC参画以前からいち早く℮スポーツの健全な普及活用に注目されており、同校先生方とともに福岡市におけるシルバー℮スポーツ普及に取り組んでいます。

5月31日、警固公民館(福岡市中央区)にてシルバー℮スポーツ体験会を開催され、FeRC事務局も見学させていただきました。

参加者全員に楽しんで欲しいと語る大川先生

会場は大盛り上がり

会場の警固公民館は館長さん以下職員の皆さんが協力、地域からご高齢の参加者、福岡市役所からも職員さんが見学に来られました。

シルバー層のアクティビティにも慣れていらっしゃる天神医療リハビリ専門学校の先生方、さすがです!

太鼓の達人グランツーリスモ、ゲームの合間には座ったままできる準備体操など、2時間のイベントがあっという間の楽しい時間でした。

参加者ほぼ全員がゲーム初体験とのことでしたが
笑顔の絶えないイベントに
ゲーム機1台をみんなで応援する盛り上がり
グランツーリスモは男性参加者が特に力の入るところ

大川校長と同校先生方のチームワーク運営
同じくFeRC参画会員柴田氏も応援参加

シルバー℮スポーツの普及拡大を確信する素晴らしいイベントでした。大川先生、警固公民館の皆さまありがとうございました。

(文責/FeRC事務局)

大川照明先生コメント

日本アクティビティ協会川崎理事長とお目にかかって、℮スポーツを高齢者アクティビティに活用していこうと思い立ってから4年かかりました。途中コロナ感染症によりストップしてしまったからですが、本日このようにイベントが出来ました。参加者の皆さんの笑顔と反応が素晴らしく大きな手ごたえを感じました。健康寿命の延伸と認知症予防のために今後も取り組んでいきたいと意を強くしています。

FeRCの方々と連携しながら、℮スポーツに対する先入観や懸念点を払拭しつつ、障害を持った方々への普及にも取り組んでいきたいと考えています。こうした局面ではますますエビデンス、研究が重要です。FeRCの℮スポーツ研究にますます期待しています。

 

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FM福岡 【Have Fan!!e-sports】最終回!作花会長&磯貝理事長W出演

2021.3.26

FM福岡 【Have Fan!!e-sports】3月25日最終回!作花会長&磯貝理事長W出演しました

右から)パーソナリティ西川さとりさん、作花浩聡会長、磯貝浩久理事長

FM福岡 【Have Fan!!e-sports】最終回

福岡のeスポーツに取り組む様々な関係者が出演する同番組、残念ながら今回をもって最終回、いったん終了だそうです。FeRCからも多数出演させていただき、“eスポーツを科学する”という取り組みにたいへん共感して下さった同番組と西川さとりさんに感謝いたします。

同番組3月25日分のブログはこちら

ラジオでのトーク概要についてご紹介します!

この1年間の研究の紹介

①eスポーツプレイヤーのパフォーマンスと関連する認知要因の実験的検討(2020年)

FeRCの第一弾研究となったこのリサーチは、eスポーツにおいて「どう判断しているか」「どこを見ているか」といった認知要因について研究したもの。特に複数のものを同時に見る能力=複数対象追跡のスキルが上がると、グランツーリスモのタイムが短縮されたという結果が得られました。このようなトレーニングを行う事でタイムをもっと短く出来るのではないかという可能性が示された研究です。なお、この研究での複数対象追跡トレーニングはカナダモントリオール大学で開発され世界中で研究対象となっているニューロトラッカーが用いられました。

複数対象追跡(MOT)スキルトレーニングとして活用されるニューロトラッカー
研究では博多を拠点とするニワカゲームス選手が協力

ニューロトラッカーは特にeスポーツのみならず、一般の運転スキルの向上、リアルスポーツアスリートによる競技スキル向上、学習時における集中力持続時間向上などが期待され、幅広い分野で活用されています。

②競技レベルの違いによるeスポーツプレー中の視覚探索方略及び感情状態の比較(2020年)

感情状態はeスポーツプレー中の脳波を測定し、熟練者と非熟練者を比較しました。熟練者はプレー中もリラックスした状態をキープし、途中不安になったりせず安定した脳波の状態でプレーが出来ている事が明らかになりました。非熟練者は場面によって興奮したりするなど感情の起伏がみられました。eスポーツ熟練の為には、感情の起伏を抑えコントロールするトレーニングが重要ではないかと示唆されました。

研究にあたる古門良亮先生(西日本工業大学)
FPS熟練プレーヤーは画面のどこを見ているか

視覚探索方略は、プレー中いつどこをどれくらい見ているか、という測定を行いました。熟練者と非熟練者で大きな違いがあり、熟練者は味方の動きをよく見る事が多いという事が数値として明確に確認できました。チームプレー、チームワークが重要なゲームにおいてこれはたいへん面白い結果でした。

③ゲーミンググラスがeスポーツ使用時の自律神経に及ぶ影響(2021年) 詳細はこちらを参照

eスポーツによって身体的精神的疲労が考えられますが、それらに対してゲーミンググラスがどのような影響を及ぼすのか調査しました。結果、ゲーミンググラス(ニデック社G-SQUARE)を使用すると疲れにくくなることが自律神経のデータから明らかになりました。

G-SQUAREとニデック社インタビュー記事はこちら  

TEHC.C福岡でのプレーヤー自律神経測定
G-SQUAREウェブサイトにて公開

④eスポーツ実施を通した地域高齢者の認知症予防(2021年) 一般公開資料はこちらを参照

福岡県豊前市との協定に基づき行いました。eスポーツ(グランツーリスモ・ぷよぷよ)をおこなった群とおこなわなかった群にわけ様々な指標で評価しました。まず一つ、高齢者の生きがい・幸福感が変わるのか調べたところ、明確ではないがeスポーツをおこなった群は実施後の方が「昔の自分を取り戻した」傾向が見られました。認知機能そのものはトレイルメイキングテストとワンバックタスクによって脳の情報処理能力について調べました。これもeスポーツ実施による改善傾向が見られました。身体能力においては開眼片足立ちと握力について調べたところやはり向上の傾向が見られました。※豊前市報告会の模様はこちら

豊前市では後藤市長も参加の対戦会開催も
開眼片足立ち測定。eスポーツによる身体能力の変化も調査

対象人数がそれほど多くなかったので明確な差として出せるまではいきませんでしたが、このように良い影響の可能性として示されたことが大きかったです。今後は対象者を増やしながら継続的に研究していきたいと思っています。豊前市後藤市長はたいへん積極的にeスポーツにも期待を寄せられ、後藤市長との対戦会は大いに盛り上がり、高齢者に対するeスポーツの可能性の大きさ・楽しさを感じました。

今後の展望について

作花会長:豊前市研究を評価頂いた会員企業リーフラス株式会社さんが、大分県中津市の温泉宿泊施設コアやまくに内にeスポーツ機材を揃え、地域で愛されるeスポーツ施設山国eeeスポーツフィールドをオープンさせました。(オープニングイベントの模様はこちら)このように各地域で気軽に皆で楽しめるeスポーツの動きに繋げて行けたらと考えています。また普及に伴い増えるeスポーツプレーヤーに対するアンケートリサーチも進めて行く予定です。

磯貝理事長:研究方面の展望として、FeRCの研究者や企業の共同執筆で「eスポーツの科学的な視点」で執筆した本を出版予定です。(現在年内出版に向け執筆中)またこれまで自然科学的な研究が多かったのですが、今後はこれに加え社会科学、例えば町おこしのコミュニティ的な研究でまとめてみるなど、幅広い参画研究者のお力でやって行きたいと考えています。


FM福岡 【Have Fan!!e-sports】は将来eスポーツで活躍する未来人の育成を目指して、関わる人々が毎週様々に出演してきました。
(これまでの主な出演者)
中島賢一さん(福岡eスポーツ協会会長)☆古賀聡さん(ニワカソフト株式会社代表取締役)☆作花浩聡会長(大原学園福岡校eスポーツ部顧問)☆磯貝浩久理事長(九州産業大学)☆西薗秀嗣教授(九州産業大学)☆谷川剛士先生(TECH.C福岡)☆伊藤僚洋先生(FPSゲーミングコーチ)☆大原学園eスポーツ部の皆さん☆神崎保孝先生(臨床心理士)☆ニワカゲームス古川選手/荒木選手/龍選手/小田英天取締役/eスポーツ事業部太田寛さん☆鈴木達朗事務局長(FeRC)☆古門良亮先生(西日本工業大学)☆夏目季代久教授(九州工業大学)☆平良美津子先生(福岡市立こども病院眼科視能訓練士)☆井上一馬さん(リーフラス株式会社専務執行役員)☆TECH.C福岡福田歩先生塩川実都先生その他多数
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西日本新聞 FeRC設立総会記事

2020.2.16

2020年2月16日西日本新聞朝刊に、FeRCの設立について掲載されました。

2020年2月16日FeRC設立を伝える西日本新聞朝刊記事

メディア各位

福岡eスポーツリサーチコンソーシアムへの取材・お問い合わせは、ホームページお問い合わせフォームから事務局へご連絡ください。

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