研究結果公開されました!ゲーミンググラスG-SQUARE

2021.3.2
【九州産業大学人間科学部の教授が語るG-SQUAREゲーミンググラスの有効性とは︖】
 
◇G-SQUARE公式サイトにて公開されました!
G-SQUAREホームページより
◇FeRCは会員企業ニデック株式会社との共同研究により、同社ゲーミンググラスG-SQUAREの有効性についてプロジェクトリサーチを行いました。
 ※2020年後半~2021年初頭
 
本研究結果は2月開催のFeRC年次総会にて会員に報告され、2月25日ニデック社から一般公開されました。
 
G-SQUARE公式動画でも紹介されています。

◇ゲーミンググラスG-SQUAREとニデック社の取り組みについては【企業がe!】下記記事ご覧ください
 

【ご注意】
ゲーミンググラスはまずモニターとの距離など環境/本人の屈折(近視乱視遠視など)はじめ眼の状態をしっかりと確認する事が大切です。
眼科・メガネ店などでチェックしてもらう事をお勧めします。特に中学生以下の方は、眼科医療機関の受診を強く推奨いたします。
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【企業がe!】株式会社ニデック①コート事業部 高橋大さん

2020.12.9

【企業がe!】株式会社ニデック コート事業部 高橋大さん インタビュー①

FeRC参画企業の情熱や取り組みをご紹介する【企業がe!】

第4回、国内eスポーツ黎明期からいち早くeスポーツに着目し、ゲーミンググラス【G-SQUARE】アイウェアを開発された、株式会社ニデック コート事業部高橋大さんにお話をうかがいました。

【G-SQUARE】は人気eスポーツチーム「DetonatioN Gaming」と連携し、「ゲーマーが本当に頼れるレンズとフレームを」とのコンセプトの元、共同開発されました。眼科医療機器メーカーとしてたいへん有名なニデックがなぜeスポーツのアイウェアを?!充実のロングインタビュー①です。


ニデックのコート事業部とは

―――高橋さん、本日はリモートですがよろしくお願い致します。先般からフェルクでも【G-SQUARE】の調査研究が行われましたが、ここに至る経緯をじっくりとお伺いしたいと思っておりました。ニデックさんは眼科・眼鏡業界では知らぬ人はいないほど大きなメーカーさんですが、メガネ開発&販売されているとは驚きました。

こちらこそ宜しくお願い致します。株式会社ニデックは、「眼科医療分野」「眼鏡機器分野」そして「コーティング分野」の3つを事業内容としています。「眼科医療分野」を分かりやすく紹介すると、眼科を受診したら“のぞき込んだら気球が見える」機械を経験された方も多いと思います。あの気球が見える機器は全てニデックの製品です。眼科で採用されているレフケラトメータなどの検査機器、OCTなどの診断機器、白内障手術でインプラントされる眼内レンズ、電子カルテなど幅広く眼科医療分野として製品展開しております。

“気球が見える機器”は全てニデック製
眼科医療分野

「眼鏡機器分野」は眼鏡店さんで採用されているレンズ加工機(メガネレンズを削る)など加工機器やシステム検眼機などを展開し、おかげさまで国内シェアトップです。

眼鏡機器分野

―――フェルク参画の眼科関係者・眼鏡関係者の方にも「ニデックさんよく知ってる!」と言われます。3つ目の「コーティング分野」について教えてください。

はい、実はG-SQUAREの開発にも大きく関わるのでコーティング分野の事業についてお話ししますと、メガネレンズのコーティングをレンズメーカーさんから請け負っています。レンズは光を通してレンズ越しに物を見なくてはならないものですが、コーティング機能を発揮させつつ見え方を損なってはならない。この技術によって樹脂基材やガラス基材などにコーティングするという事業です。当社のコーティングは液晶モニター自動車メーターパネルなどに採用されている、と言えば分かりやすいでしょうか。このコーティング分野はメーカーさんへの供給なので、他の2つの分野と違い一般の人には社名がほとんど知られていないのかもしれません。私はニデックに入社して以来、このコート事業部で仕事をしています。

コーティング分野

この事業部は相手が企業、しかもニデックブランドで消費者の手に渡るものではありません。メーカーさんからの受託ビジネスであり、BtoB(企業間取引)ですのでニデック社名は知られないわけです。事業部として「自社製品」を持つことが、私の入社当時から「事業部の目標」としてずっとあった課題でした。

BtoCへのチャレンジ

まだガラケー時代、国内携帯メーカーさんからの受託で、携帯電話外装の加飾コーティングをしていました。

そんな中、スマートフォン「iPhone」の3GSの時期、スマホカバーの企画と開発をやってみました。「染(そめ)」というブランド名で全9色作ったのですが、販売ルートがない。ニデックのビジネスはそれまでBtoB、各メーカーさんからの受託加工であって、一般消費者に「ニデック」と分かる製品を売っていませんでしたから、販売してくれる店舗のルートなんて全く無かったのです。BtoCビジネスのハードルにいきなり直面しました。それに包装も。「ニデック」という自社名が入り直接消費者の手に渡る製品経験が企業として無いわけですから、最初はパッケージ台紙のデザインも全て自分で手探りの中行いました。

コート事業部BtoCの嚆矢となったスマホカバー

―――販売ルートもないBtoC…どうされたのですか?

飛び込みで携帯ショップさん・雑貨屋さん・家電量販店さんなどを私が回りました。携帯ショップと名の付くお店には片っ端から飛び込み。飛び込んでも「ニデック」なんて社名から知られていませんから、販売して下さる店舗を獲得するまで本当に苦心しました。そんななか、1件の携帯ショップさんから販売するよと言って下さったときは、同じ事業部の社員と祝杯をあげましたね。本当に嬉しかったです。その後、「染」はおかげ様で累計20万個以上販売され、当社BtoCビジネスモデルのさきがけとなりました。それから時代はあっという間に変わり、最初に販売して下さった携帯ショップさんもいまは閉店されました。スマホカバーが珍しいものでなくなり「染」ブランドも既に終了しました。

同じようにコート事業部のBtoCとして、液晶テレビの画面保護パネル「レクアガード」も製品化されていました。これは今でも販売中で家電量販店さん等でも販売頂いています。家庭用ゲーム機のコントローラーを誤って画面に投げ出してしまったりペットのいたずらなどで画面の破損やキズが入ってしまう事例は意外と多いんですよね。高精細な画質を損なわず照明の映り込みを防ぐなど、メガネレンズで培った光学・コーティング技術が応用されています。

こういった経緯が2005年~2012年にあり、結果としてG-SQUAREに至るニデックBtoCビジネスの下地ができました。

従来BtoBのみだった企業がBtoCビジネスにチャレンジする事例は多いと思いますが、皆さん同様のご苦労をされているのではないかと推察します。当社も、製造から社内システムまで全てがBtoB仕様ですから、さまざま乗り越えなければならない事がありました。私個人にとってもたいへん想い入れ深い経験です。

ニデック、eスポーツとの出会い

―――このBtoCビジネスのエピソードだけでご飯三杯食べられますよ!(笑)G-SQUAREに至る下地が出来たところで…御社はeスポーツの世界に出会うことになるのですね。

2014年の事ですが、弊社の営業社員がDetonatioN Gaming梅崎伸幸CEOと初めてお会いしました。この営業社員のご兄弟がeスポーツを知っていて(編集注:当時ロジクール広報担当)、“何かおもしろいコト無い?”と兄弟間での会話があったようです。そこで梅崎CEOとひき会わせてもらい、そのご紹介でSANKO鈴木文雄元社長と出会い、さらにロジクール責任者古澤明仁さんと出会うというご縁をいただきました。

eスポーツは凄い!と感銘した社員がニデック営業部長を連れて行ったところ、この部長もたいへん感銘を受け、ニデックはeスポーツの世界に飛び込んでいく事になります。私は分かりやすく“兄弟愛が生んだ出会い”と言っています(笑)

梅崎CEO、鈴木社長、古澤様…このお三方との出会いは当社ニデックeスポーツ事業をご紹介するうえで避けて通れないほどたいへん大きなきっかけでした。のちのお話になりますが、このお三方はやがて日本eスポーツ連合設立にも中心的に関わっていかれる事になります。

(編集注)DetonatioN Gaming=2012年7月設立のeスポーツプロチーム。梅崎伸幸CEO(2020年11月現在)

(編集注)㈱SANKO=鈴木文雄代表取締役元社長。広告代理店。eスポーツ事業やマンガデザイン事業など新たな市場創造に挑んでいる。

(編集注)Logicool=スイス本社のデジタルデバイス提供企業。日本ではLogicoolブランドを販売。古澤明仁氏(当時ロジクールゲームデバイスのマーケティング担当責任者。㈱RIZeST代表取締役を経てウェルプレイド・ライゼスト㈱代表取締役就任予定)

さて、eスポーツビジネスをと…

さてeスポーツに感銘感化されたのは良いのですが、当時ニデックにはeスポーツに関して売るものがない

それでもeスポーツに情熱を持った営業部長のもと、eスポーツ関連事業を新たに生み出す7~8人の社内チームが設立され、そちらに私も参画する事となりました。DetonatioN Gamingとのスポンサー契約を結んだのもこの頃です。

―――ニデックさんは2014年段階で既に社内チーム設立ですか、凄いですね!

いえいえ、最初から社内が“eスポーツ!”と共感していたわけではありませんでした。まだeスポーツが国内でほとんど知られていない上に、イメージがあまり良くない雰囲気もありましたので…。ですが営業部長の熱意が後押ししてくれました。

開発投入する製品は【メガネでいこう】と決めたのは速かったのですが、ニデックはアイケア事業部として眼鏡店さんの使うレンズ加工機などでトップシェアであるものの、メガネの小売(編集注:直接消費者向けのBtoC商材を持つ、Eコマースで販売する、など全般)を全く手掛けてきませんでした。このあたり、かなり議論しましたが結局、まだまだeスポーツはニッチな分野の特殊メガネという位置づけだったのでこれで行こう、と決断するに至りました。

そこから一年間ほどかけ開発やテストを繰り返して発売したものが【G-SQUAREアイウェア】です。

―――いよいよeスポーツ市場にメガネを投入する事になったニデック。G-SQUAREアイウェア開発・発売からその後にいたるインタビューの核心は、次回!


【高橋 大】 株式会社ニデック コート事業部

2005年入社、同社コート事業部にて既存のコート事業に従事するほか、スマホカバー開発・発売などで同社BtoCビジネスを積極的に開拓。2016年発売のG-SQUAREの構想・開発・推進全般を担い活躍中。

【株式会社ニデック】

1971年創業、本社愛知県蒲郡市。資本金/4億6,189万円(非上場)主な事業は眼科医療・眼鏡機器・コーティングの3分野。近年は、疾病の予防や早期発見を目的とした診断機器、体に負担の少ない低侵襲な手術装置の開発、再生医療などの商品もてがける。 福岡eスポーツリサーチコンソーシアム団体正会員。

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