【企業がe!】ニワカソフト株式会社②古賀聡社長

2020.10.29

【企業がe!】ニワカソフト株式会社 古賀 聡代表取締役社長インタビュー②

FeRC参画企業の情熱や取り組みをご紹介する【企業がe!】

第2回、ロボマスター世界大会挑戦・eモータースポーツチームの活躍など先進的な取り組みで有名なニワカソフト株式会社代表取締役社長古賀聡さんへのインタビュー続編です。ロボマスチャレンジのチームを設立したニワカソフトさん、eスポーツチーム【ニワカゲームス】にいよいよチャレンジ!のお話に!

ニワカソフト株式会社が運営するニワカゲームス設立、想い、今後の展望などについておうかがいしました!ニワカゲームスは2019年茨城国体/グランツーリスモ少年の部で2位選手を輩出、2020年JeGTチーム戦優勝などの実績をあげられています。


“福岡から輩出できたら面白いよね!”

ーーー(前回のインタビューで)まさかのロボマス挑戦チームを作られたお話、その機動的な行動力に感銘致しました。…で、その後もまたもや挑戦!という事でeスポーツチーム【ニワカゲームス】設立についてうかがいたいのですが?

もともと、eスポーツで何かしたい!という想いを持っていましたので、最初に「eスポーツチームを持ってみたい!」から始まりました。その中で何の種目にしようか?となったときにRoboMasterと同じようにグランツーリスモにも世界大会があって、海外ではたいへん盛況です。「福岡から、世界大会で優勝したり活躍できる子を輩出出来たら凄くない?面白くない?」という話になりましてね。せっかく地域に根付いたラボ(編集注:ニワカラボ。博多駅近く)があって、凄い人が集まるんだったら、そこにお子さん達も交えていずれ凄い選手を輩出する、なんて事になったら面白いよね!という事でチームを結成しました。

ロボマスチームも拠点とする博多駅近くのニワカラボ
ニワカラボに整えられたニワカゲームス設備

ーーー古賀さん、何をされる際にも”〇〇出来たら面白いよね!”がテーマなんですね( ;∀;)(編集者心の涙)

eスポーツチームを持つにあたって、プロゲーマーを輩出している他のチームを見ますと、ゲーマーの方々を集めて報酬を払って…という形式が多いです。

しかしニワカゲームスは違うスタイルでやっています。これはロボマス挑戦のFukuokaNiwakaと同じなのですが、目標をもって凄いやる気のある選手たちに我々は環境を提供しサポートする。その選手自身の力でどんどん凄い事が出来ていく…というチームでいたいなと思っています。

ーーーたしかに”甲子園行きたいから給料払うので部活入りませんか”という野球部は無いですね(笑)

そうそう!そういう面では野球部の感覚に近いかもしれませんね(笑)甲子園という目標があって、やる気のある選手がじゃあどこの高校でやろうか!というところで。集まってその子達を預かるからにはより良い環境を提供したいですよね。我々は環境やサポートを提供する側。”世界大会目指す”とか凄いやる気のある選手側。一緒にラボに来て前に作っていく、そういうチームでありたいと思っています。

グランツーリスモはゲームではなくシミュレーター(編集注:実車の再現性にこだわっている)です。ニワカの選手達は走りながら車体の重心とか風を感じながら走っているようで、一度プロレーサーの方をお招きしたのですがそういう実車に則した質問もたくさんしていて、この子達本当に凄いなと思いました。どこでブレーキを踏む、ハンドルを切る、という我々のレベルと全然違うところにいるんですよ(笑)

2020JeGTチーム優勝 龍翔太郎選手は2019茨城国体2位の実績

“教育”というよりも可能性の入口

ーーーニワカゲームスとして何か気をつけている事とか、方針があれば教えてください

そうですね、“教育”で抑えつけて教え込む、とか絶対eスポーツをさせて強くする、という所に正直あまりこだわっていません。国体や世界大会を明確な目標にする選手がいて、そういう選手たちは自分たちの目標に突き進んでくれたらよいと思いますし、先ほどお話したように環境をどんどん提供していく。

ただ一方で、ニワカゲームスは小学生など子どもたちが参加するチームでもあります。子どもたちには今日の実車カート体験も含めて、あらゆる事に触れて色々なものに興味を持って行って欲しいと思っています。ひょっとしたらゲームというよりこうした体験でプロのレーサーになりたいという子、車のエンジニアになりたいという子も出てくるかも知れません。全然違うバイクに興味を持ったりする子もいるかもしれない。可能性は本当、無限ですよね。みんながみんな、同じようにゲームに熱中して取り組む、というチームにはしたくない、と考えています。その子それぞれ、何かに熱中出来れば良いし、色々なことに興味を持って欲しいですね。

小学生から参加するニワカゲームス

例えば活動日にラボに来ても、必ずしもゲームしなくても良い。ラボ内には隣にロボマスの制作ルームもありますから、エンジニアの学生たちと交流してそちらに興味を持ってもらっても良い。せっかくそういう環境にあるラボですから、色んなことに興味をもつ入り口としてeスポーツがある、それで良いと考えています。

ニワカゲームスHPより。ゲームが上達するだけではなく健全に成長できる環境を

ーーーニワカさんの発想や原点は、「人の集まり」もその一つなんですね

そうですね、何かに対して気持ちの強い人が集まる輪が出来て、そこに刺激がある。そういう刺激を場を提供する存在でありたいなと考えています。惰性で「勝たなきゃいけない」「毎回練習しないといけない」となるチームよりも、「何かここに来たら面白いものがある!」と常に新鮮なチームやラボでありたいですね。

ニワカゲームスに入ってきてくれる子どもの親御さんたちは、ゲームをやらせるのは心配!というマイナスイメージを持っておられる方は全くないですね。それより色んな経験をさせてあげたい、興味を持つ機会を与えてあげたい、という我々と同じお考えの方が多いです。まだチームを始めてそれほど長くありませんが、その中でも子どもたちも着実に成長しているのが見ていてわかります。チーム内でもお兄ちゃんや大人から「ここはこうプレイすると良いよ」とか交流が盛んで、良い学びの場になっているのではないかなと感じています。一人でゲームしているよりよほど良い環境なんじゃないかなぁと思いますね。

これからのeスポーツのこと

ーーーeスポーツ業界は成長が期待されていますがマネタイズはまだまだですね

そうですね、どこもそれは同じ事情と思いますが、そこは急いでも仕方ないのかなと考えています。

ーーーところで”ニワカ”という社名・名前の宣伝効果としては状況いかがでしょうか?

ありがたいことに、会う方々は「ニワカ!知ってるよ!」「今度ラボを見に行きたい!」「何してる会社か知りたい!」などのお声がここ2~3年多くなったような気がしますね。

ーーー2020年8月のJeGTネット配信で見ていたのですが“ニワカ”!と実況されると我々も嬉しくなりました

ありがとうございます、JeGT配信など盛り上がってきましたけど、もっと「見る側」=観客側が楽しめる工夫が今後eスポーツ発展のためのテーマだろうなと思いますね。私自身もグランツーリスモに疎かったのですが見ていると、タイヤ交換とか設定とか、走る以外の駆け引きも充分あるんですよね。いまゲーマーが凄い!という所ばかりが取り上げられているように感じます。もっとゲームをしない一般の人々にも「このゲームのここが凄い!」とか、見どころとか、広く人々に楽しみ方を理解してもらう工夫が必要でしょうね。観客が増え、そこに広告もついて、eスポーツ業界全体がもっと盛り上がっていくと思います。

2020年8月JeGT配信の模様

選手自身がどんな人柄なのかにもフォーカスを当てても良いですよね。それと地域。高校野球だと佐賀県が負けたら、じゃあ同じ九州勢の残っている高校を応援したくなりますよね。もっと地域に根差して、住んでいる街や地域として応援したくなるような土壌を作っていけたらと思います。

ーーー古賀さん、一つご提案なんですがニワカゲームスで企業経営者選手権とかどうですか?社会的地位も高い社長さんがニワカの選手の下についてチーム戦で戦うとか(笑)どんなに年長で偉い人でも若い選手に習う、という図です(笑)

良いですよね!eスポーツはそういう序列とか壁を無くしてしまうコミュニケーションツールでもあると思うんですよね。福岡eスポーツ協会の中島会長も、eスポーツを単体でとらえるのではなくてeスポーツ×〇〇、たとえば地域活性化とか健康とか何かに掛け合わせて取り組むべきだろうとおっしゃっています。年齢や地位なんかを超えたコミュニケーションツールとして広げていけたらよいですね。

ーーー古賀さん、本日はありがとうございました!


この日、実車カート体験が!

この日、ニワカゲームスは通常活動しているラボを離れ、カート場での実車カート走行会でした。定期的に開催し、各選手とも実車走行の経験をグランツーリスモに活かしているそうです。“カート”と聞き甘く考えていましたが…見ていると大変な迫力!体感速度90キロ以上あるのではないでしょうか?エンジンの轟音とカーブに飛び込んでいくスピード感に圧倒されました。同時に、乗りこなしている選手たちの能力の高さにも脱帽する見学となりました!

地上すれすれの時速60キロ、体感速度は…
見ているだけで足が震える迫力
小学生はキッズカートで走行
古川拓己選手。人当たりの良い素晴らしい好青年
龍翔太郎選手。自動車メーカー開発ドライバーが目標、物静かで信念を感じます
チーム運営の太田寛さん。マネジメント全般を統括

【古賀 聡】ニワカソフト株式会社代表取締役社長 

佐賀県鳥栖市生まれ。学生時代は毎日野球ばっかりの高校球児。高校卒業後、周りの友達が大学に進学する中、就職して20代前半まで目標もなくフラフラしていました。いっぱい失敗していろんな方に支えてもらって今に至ります。(HPより)2012年9月NIWAKASOFT設立。

【ニワカソフト株式会社】https://niwakasoft.jp/

2012年9月設立。本社/福岡県福岡市中央区。主な事業内容/Web制作、企画、広告及び運営事業/Iotメディア事業/ロボット事業/eスポーツ事業/輸入販売事業。 福岡eスポーツリサーチコンソーシアム運営団体正会員。

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