【自治体連携】福岡市認知症フレンドリーイベント開催

2023.12.21

2023年12月10日 福岡市認知症フレンドリーセンターにおいて

eスポーツ×認知症フレンドリーイベントが開催されました。

FeRCも運営参画しましたのでご報告します。

運営参加のFeRC会員/関係者/福岡市認知症支援課みなさん

▷福岡市認知症フレンドリーセンターとは

福岡市は、認知症になっても住み慣れた地域で安心して自分らしく暮らせるまちを目指した、認知症フレンドリーシティ・プロジェクトを2018年から開始しています。

2023年9月「福岡市認知症フレンドリーセンター」が認知症に関するこれまでの取組みや最新の知見を提供し、情報発信していく拠点としてオープンしました。同センターは英国スターリング大学のゴールド認証を受けた国内初の施設です。福岡市中央区舞鶴2丁目5−1(あいれふ2F)

リンク)福岡市認知症フレンドリーセンター公式HP

▷eスポーツ×認知症フレンドリー

認知症当事者の方々とバリアフリーに交流でき新しいコミュニティ創出を目指す取り組みの一つとして、認知症フレンドリーセンターはeスポーツに着目いただいています。

今回、認知症当事者へのゲーム活用を見出し、今後に繋げるイベントとしてeスポーツ×認知症フレンドリーイベントが開催されました。

FeRCではこのイベント構想時からご相談をうけ、運営参加させていただきました。

作業療法士/大川照明先生
受付時、バイタルチェックを重視

イベントは事前エントリされた認知症当事者の方々、および支援者の方々が来場。

開催にあたっては医療専門職の立場で高齢者リハビリに精通した作業療法士/大川照明先生立会いのもと、理学療法士/作業療法士によるバイタルチェックをおこないます。(協力/福岡天神医療リハビリ専門学校)

また、eスポーツプレイの前後ではBASラボ(行動評価システム研究所)による加速度脈波測定器TAS9を用いた末梢血管循環分析のデモなどが行われました。生体情報測定を絡めたeスポーツ研究団体ならではの体験イベントです。

BASラボ斉藤先生による生体情報測定デモ
開催挨拶する福岡市認知症支援課住田さん、FeRC作花会長
太鼓の達人

ゲームタイトルは【太鼓の達人】【グランツーリスモ】【UDeスポーツ】を展開。認知症当事者の皆さんが支援者/小学生らと一緒に行うスタイルで楽しんでいただきました。

グランツーリスモ運営協力/JAF九州支部
あらゆる世代が交流するツールとあらためて実感
UDeスポーツ®とサポートする作業療法士井ノ口先生
UDeスポーツは運動会やもぐら叩きなど理解しやすいデザイン
小学生と磯貝理事長との交流対戦も!小学生の勝ち!

当事者の皆さんも大いに楽しんでいただけたご様子で、eスポーツのバリアフリーな可能性をあらためて感じました。

『UDeスポーツ』一般社団法人UDe-sports協会が展開するオリジナルeスポーツ。現在全国100施設以上に普及。

公式HP https://ude-sports.com/

会場でいただいた感想

・認知症の程度等にもよると思うが今回3タイトルそれぞれ予想以上にスムーズにプレイ出来ていた。今後の可能性をとても感じる良い機会だった。

・ゲームタイトルによって当事者ご本人の興味関心度合いに違いがありそう。よく傾聴してどのタイトルが好きかなどをしっかり聞き出すことが大切と感じた。

グランツーリスモを特に気に入ってくださった当事者の方に聞くと、以前タクシードライバーだったと話してくれた。眼をキラキラさせて楽しそうに走行している様子を見て嬉しくなった。プレイ後も他の人の走行を楽しそうにご覧になっていた。

・高齢者/認知症当事者のために開発されたUDeスポーツが特に良かった。誰にでも楽しめて理解も早く素晴らしい。単純な様だが小学生から高齢層まで幅広い年齢が良く楽しめると思う。

自治体連携とバリアフリー

eスポーツのもつバリアフリー性に注目した、×地域創生 ×認知症フレンドリー など自治体による取り組みが進んでいます。

FeRCでは各領域専門家参画のもと、これら自治体との連携を今後も深めてまいります。

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調査レポート)eスポーツの実施が高齢者の認知機能及び幸福感に及ぼす影響(日本スポーツ産業学会第30回大会発表)

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【自治体連携】広川町eスポーツ地域活性化事業

2023.12.6

2023年12月2日 福岡県広川町はeスポーツによる地域活性化事業ビジョンを発表し、同日町役場において記者会見とキックオフイベントが開催されました。

西日本新聞2023.12.6 eスポーツで世代間交流と認知症予防 福岡・広川町が新事業

今後3年間にわたって、eスポーツの普及/交流/研究など包括的な取り組みを展開し、町の地域活性化を図る意欲的なビジョンです。

福岡県広川町 https://www.town.hirokawa.fukuoka.jp/index.html

FeRCは、この広川町事業ビジョンに賛同し事業運営協力することとなりました。

▷支援/コーユーイノテックス株式会社(企業版ふるさと納税による支援)

▷”eスポーツによる地域活性化包括的支援業務”受託者/一般社団法人行動評価システム研究所(BASラボ)

▷事業運営協力/福岡eスポーツリサーチコンソーシアム(FeRC)、九州産業大学九州工業大学

事業ビジョンを紹介する氷室健太郎町長
記者会見で挨拶するFeRC磯貝理事長

FeRCはスポーツ科学/脳科学/作業療法士/視能訓練士/鍼灸師など多彩な専門家と多領域の企業/個人会員が参画しており、これまでに取り組んできたeスポーツ共同研究やサイエンスイベント経験を活かして、広川町のeスポーツ地域活性化事業に協力します。

具体的には、町内福祉施設などでの体験会、認知症予防や認知機能改善の効果検証研究、町民のバリアフリー交流、健全な普及に貢献する人材教育などを構想しています。

キックオフイベント

同日、広川町役場において広川町で初となるeスポーツ体験会が開催されました。デジタルゲームに日常的に親しんでいる小学生からほとんど馴染みがないというシルバー世代まで、あらゆる世代の町民が参加し楽しんでいただきました。

自治体によるeスポーツの包括的取り組みは珍しい

 

シニア層にも馴染みやすい太鼓の達人

FeRC会員関係者の協力による体験コーナー

広川町 氷室健太郎町長は、町長就任以前からeスポーツによる地域活性化へ積極的な関心を寄せておられました。2022年8月のファミリeフェス(福岡市にて開催)にもわざわざ視察に来られたほど。

地域活性化と科学的検証を組み合わせた包括的な事業ビジョンは全国的にもまだまだ珍しい構想です。

今後3年間にわたる取り組みとなります。本ホームページにて逐次報告してまいります。(文責/FeRC事務局)

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