【企業がe!】リーフラス株式会社②井上一馬さんインタビュー

2021.2.17

【企業がe!】リーフラス株式会社②井上一馬さんインタビュー

FeRC参画企業の情熱や取り組みをご紹介する【企業がe!】

第7回は前回に引き続き、スポーツスクール事業を中心にリアルスポーツを通じて全国で事業展開を手掛けるリーフラス株式会社 井上一馬さんインタビュー。

全国46,000人以上の会員数を有するリアルスポーツスクールの雄・リーフラスが捉えるeスポーツビジネス像とは。創業以来、一貫して捉えてきた地域の抱える社会的課題とは。広がり続ける魅力的な事業展開のお話を交えながら、リアルスポーツ事業者ならではの視点によって新たな気づきを与えてくれる充実のインタビュー続編です。


高齢者スポーツサービスについて

‐‐‐子どもたちのスクール事業・部活動支援。とても共感できるお話ですね。一方で、高齢者のスポーツ事業についてもとうかがいたいのですが。

はい、リーフラスでは高齢者を対象としたスポーツ・健康運動サービスを展開しています。(ヘルスケア事業

「高齢者」の定義は現在のところ65歳以上ですが、かつての高齢者よりも元気な方が本当に多いんですよね。実際拝見していると、女性の方が集まってコミュニティを作って何かやろうという事に積極的な方が多いです。男性の方がそういう事が苦手/おっくうだという傾向にあります。

このまま運動を習慣化しないと不健康になってしまいますよ、健康寿命を延伸しましょう、というなかで高齢者のマインドに合わせて、集団スポーツではないけどスポーツたり得るものが無いか、などを模索しています。

eスポーツをどう見ているか

‐‐‐リーフラスさんのスポーツを通じた事業展開たいへん興味深くて、またeスポーツにも繋がる要素がたくさんありそうです。井上さんはeスポーツをどのようにご覧になっていますか、またこれから関わりたい方向性などについてお聞かせください。

最初にお話ししたように、FeRCに参画したことをきっかけに、eスポーツに対して気づきがたくさんありました。

具体的には、パーソナルコンピュータと違ってeスポーツとしてチームで協力してやる。対戦の前後にきちんと挨拶をする。相手に罵声を浴びせないなど、スポーツマンシップをちゃんと重んじながら運営する大会がある。そういう動きを知ってから見方が変わったように思います。そこから、例えば不登校の子にとっては重要なコミュニケーションの場になっていたり、それがきっかけとなって友達が出来て学校に行けるようになったりとか、お話を聞くほど興味が湧いてきました。

私たちはこれから、eスポーツを“ソーシャルな位置づけ”にしていきたいと考えています。FeRCでは多くの研究者が研究に取り組んでおられますが、これから出てくるであろう研究結果を世の中に広めて、具体的に健康で健全なeスポーツの普及に貢献していきたいなと思っています。

最近このFeRCを通じて、eスポーツに着目して取り組んでいる人々とお会いする機会が多くなり、私の中でeスポーツのもつ可能性に対し確信めいたものが出来ています。これを具体化していきたいですね。

‐‐‐学校におけるeスポーツ部設立のニュースが多いのですが、御社の部活動支援と繋がりそうですね。

高校のeスポーツ部は各地で設立が進んでいて、200校を超えさらに増加中と聞いています。この動きは、私たちがリアルスポーツの部活動支援事業で目の当たりにした課題と同じものが出てくるだろうと予測しています。顧問のミスマッチ、先生の過重労働etc これに対して、専門知識をもった指導員が支援/指導する、eスポーツと正しい距離感で向き合える教育ができる。そしてeスポーツを教える職業として成立し、新たな雇用が生まれて、eスポーツ界にも大きな貢献になる。そういった提案が出来ていけたら…と考えています。

部活動はチームの素晴らしさを経験し、礼儀やマナーを身につける場でもあります。リアルスポーツもeスポーツも同じだと思っています。

ちょっと脱線しますが、リアルスポーツの部活動で集団練習を行い帰宅しますが、その後も情熱のある子どもは家で自主練習する場合もあります。ただ…そんなに長い時間やれるものでもありませんよね。逆説的ですが、eスポーツ部活動も同じで、ゲームは学校でみんなと一緒に。帰宅したらしない、という区別が付くかもしれませんね。

‐‐‐高齢者のeスポーツに関してはどのようにご覧になっていますか?

高齢者の脳の活性化・認知症予防などに対しての効果も大いに期待しています。FeRCでは豊前市のグランツーリスモなどを使った研究が始まっていますが、そうした研究成果を活用しながら積極的に広めていきたいなと考えています。

各地域の公民館単位でやれたら良いですよね。たとえばとある公民館に午前中は高齢者の方々が集まってワイワイと楽しむ。夕方になると子どもたちが集まってまたワイワイ楽しくやって宿題して帰る。ときどき、おじいちゃんおばあちゃんと子どもたちの交流戦があって、高齢者チームの方が上手だったり。そうなると、地域に根付いたと言えるのではないでしょうか。考えるとワクワクしますね!

施設管理事業とeスポーツ

これまでの事業に加えて、最近は施設管理事業を開始しました。大分県中津市山国のコアやまくにという温泉・スポーツ・宿泊・研修を備えた複合施設です。地域に愛されていて近隣の方々は皆さん毎日お風呂に入りに来ています。この施設は、スポーツでどう地域活性化出来るかをテーマに管理運営させて頂いていまして、スポーツ合宿の誘致も積極的に行っています。

この施設で機材を準備しeスポーツにも取り組んでいこうと計画中です。例えば温泉利用の方々が風呂上りにeスポーツに親しむ。先ほどのeスポーツ部やプロeスポーツチームが合宿に来て、午前中は登山やリアルスポーツで汗を流し午後からゲームに取り組む、など面白いと思っています(笑)

アパレル事業ALL4

‐‐‐リーフラスさん、そういえばアパレル事業も(笑)

 2020年4月に、自社で【ALL4】というスポーツアパレルブランドを立ち上げました。語源は“四方に良し”から。

パーカーやコーチジャケットなどをラインナップしていて、2021年からさらにアイテム拡大予定です。

本体の事業というより、ここで出た収益を使ってスポーツ界の普及/発展/課題解決に活用していく目的で立ち上げました。色々なスポーツアパレルブランドがありますが、購買者が選ぶときに「これを買ったらこういう事があるよね」と支援に繋がるようなブランドを目指しています。例えば車いすバスケットボールはやれる場所が限られているという問題があります。フロアが激しく痛むからです。そこでフロアのワックス塗り替え費用をこの収益から負担しましょうか、といった形で還元できたら、プレーヤーにも観客にも皆に良い効果があるブランドになるのではないか。それならこのブランドを買おうか。まさに四方に良し、と進んでいけるのではないかと考えています。

アパレルはスポーツシーンにおいて重要です。トップ選手が華やかなアパレルを着るとそれだけで競技の印象が変わったりしますよね。卓球を例に挙げると、女子選手のユニフォームなどが華やかになって一気に競技イメージが変わりファンが増えたりとか。これから力を入れて展開していくつもりです。

‐‐‐幅広いリーフラスさんの事業展開からeスポーツへの関わりや志向まで、とても充実したお話ありがとうございました!さすがリアルスポーツを“社会的課題の解決”と捉え事業化されてきたリーフラスさん、eスポーツにもそのまま当てはまるお話の数々でした。

今後もFeRCでの活動も含めて一層のご活躍を祈念しております!

 


【井上一馬】Inoue Kazuma リーフラス株式会社 上席専務執行役員 ソーシャルアクション統括本部副本部長 西日本エリア統括兼九州支社長

リーフラス創業時はサッカースクール指導員として従事。その後、東京進出・関東圏拡大の責任者として活動。種目の増設を行い現在は10種目を実施。M&A後の組織改革や新事業開発などを手掛ける。プロバスケットボールチームの取締役兼GMとしてプロスポーツの経営・運営にも従事。その後、専門学校にてスポーツマネジメント学科の新設に取り組み、教務・営業も兼ねる。現在は部活動の改善・施設管理・スポーツ療育(障害児支援)・体育授業支援・健康増進・地域活性化など、「スポーツ・教育・健康・地域」をテーマに様々活動を行っている。e-sportsが上記テーマと融合することでそれぞれが発展する可能性を感じてFercに参加。

【リーフラス株式会社】https://leifras.co.jp/

2001年創業、本社東京都港区。資本金/1億2,500万円(資本準備金含む)スポーツスクール運営/スポーツイベントの実施/スポーツウェア・グッズの販売ほか様々な事業を手がける。福岡eスポーツリサーチコンソーシアム団体運営会員。

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FM福岡 【Have Fan!!e-sports】リーフラス㈱出演

2021.1.19
FM福岡 【Have Fan!!e-sports】に FeRC参画企業 リーフラス株式会社が出演
 
井上一馬 専務執行役員
FM福岡は福岡に根ざす局として、e-sportsに携わる人々とのトークを通じて積極的にe-sportsのサポート&発信をしています。FeRC参画会員も多数出演中です
 
2週連続の出演でした!
第一回 1月4日(木)25:00〜放送回
第二回 12月24日(木)25:00〜放送
 
全国で4万5千人以上の会員にスポーツスクールを提供するリーフラスさん、プロスポーツ支援/施設運営事業など幅広く事業展開していくなかで、地域活性化や部活動支援にも繋がるeスポーツに熱い想いで取り組まれています
※過去放送はラジオクラウドでも聴けます

FM福岡 【Have Fan!!e-sports】は将来eスポーツで活躍する未来人の育成を目指して、関わる人々が毎週様々に出演しています。
(これまでの主な出演者)
中島賢一さん(福岡eスポーツ協会会長)☆古賀聡さん(ニワカソフト株式会社代表取締役)☆作花浩聡会長(大原学園福岡校eスポーツ部顧問)☆磯貝浩久理事長(九州産業大学)☆西薗秀嗣教授(九州産業大学)☆谷川剛士先生(TECH.C福岡)☆伊藤僚洋先生(FPSゲーミングコーチ)☆大原学園eスポーツ部の皆さん☆神崎保孝先生(臨床心理士)☆ニワカゲームス古川選手/荒木選手/龍選手/小田英天取締役/eスポーツ事業部太田寛さん☆鈴木達朗事務局長(FeRC)☆古門良亮先生(西日本工業大学)☆夏目季代久教授(九州工業大学)☆平良美津子先生(福岡市立こども病院眼科視能訓練士)☆その他多数
 
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