【企業がe!】株式会社ニデック②コート事業部 高橋大さん

2020.12.26

【企業がe!】株式会社ニデック コート事業部 高橋大さん インタビュー②

FeRC参画企業の情熱や取り組みをご紹介する【企業がe!】

第5回は、国内eスポーツ黎明期からいち早くeスポーツに着目し、ゲーミンググラス【G-SQUARE】アイウェアを開発された、株式会社ニデック コート事業部高橋大さんインタビュー続編!

いよいよ2015年から開発をスタートした【G-SQUARE】、開発から発売、そして当時並行して拡大していったeスポーツ界のお話もしていただいた、充実のロングインタビュー②です!


G-SQUARE開発

―――高橋さん、歴史あるBtoB事業のニデックがBtoCビジネスに挑戦していったという前回のお話、たいへん刺激的でした。【G-SQUARE】に取り組むまでの御社の努力が分かるお話、ありがとうございました。さていよいよ2015年、G-SQUARE開発に着手されたわけですね?

はい、2015年のeスポーツ関係者お三方(編集注:インタビュー①参照)からの出会いがあり、ニデックはDetonatioN Gaming(以後、DNG)とのスポンサー契約を結び、社内チームを設立してeスポーツ関連商品としてメガネを開発する事となりました。(編集注:前回記事参照

 

メガネはご周知のとおり、フレームとレンズが必要です。

まずフレームですが、これは優秀な国産、福井県鯖江市のメーカーさんを探すところから始まりました。何社もの企業さんをあたったところ、βチタンによる素晴らしい技術力で一緒に開発して下さるメーカーさんにたどり着きました。

国内メガネフレームの一大産地:福井県鯖江市

フレームへのこだわりは特に、選手から要望が強かった「ヘッドセットとの相性」です。ヘッドセット装用下にあって痛みや違和感を極限までかけさせたくない。ヘッドセットも様々な製品が出ていますが、どの製品にも相性良いものを開発したい。ここでとても助けられたのが当時ロジクール責任者の古澤さん(編集注:インタビュー①参照)でした。ロジクールの多種多様なヘッドセットを開発のために貸してくださったんです。これは本当に助かりました。そのおかげで、「ヘッドセットとの相性」はとても自信を持っています。

―――ゲーム推奨カラーを揃えていることに驚きました

2016年4月に発売したのですがそのときレンズカラーはワインレッドのみでした。共同開発の中、中心的にご協力いただいたチームが、当時DNGの中で最も勢いのあったLoL(編集注:リーグオブレジェンド)のチームである“FocusMe”でした。FocusMeに所属しているプレーヤー達が数あるレンズを試していただき、最終的に「ワインレッドのこの濃度で、且つレクアメッシュコートを付けたものが最も見やすい!」と支持してくれました。

ニデック独自技術レクアメッシュコート

ところがDNGのFPS系チームのトップ選手が「赤いレンズだと敵のマークが沈むから見えにくいよ!」と強く苦情を言われたんですよね。

それまでLoLプレーヤーには好評でしたので、この意見には驚きました。「ゲームによって見えやすい、見えにくいが違うんだ。」と意識したのはこの頃からですね。FPSチームの皆さんに聞き込みやアンケート等、あれこれレンズを試してもらったところ、どうもLoLの選手達とは違い≪グレー≫のレンズが良いという結論に落ち着きました。

同時並行的に、DNGが当時格闘ゲーム(スマブラ)にも力を入れていました。どうせならこのチームにも徹底的に聞き込もうと取り組んだところ、スマブラには≪ブラウン≫レンズが良いという事になりました。

ゲーム系統ごとにこれほど推奨レンズカラーが違う、というのは驚きでしたね。

そういうわけで、≪ワインレッド≫≪ブラウン≫≪グレー≫とラインナップすることになりました。

レンズカラーが出揃い選手からの支持も絶大に

“黎明期”のつながり

―――まさに選手と共同開発という努力と製品の良さが伝わってきます。発売して、いかがでした?

いやぁ、発売してすぐなかなか売れなかったですね。メディアキャラバンなども行いまして製品宣伝はかなり行いました。2016年当時、eスポーツがまだまだ知られていなかったのもあります。

ちょっと話はそれるかもしれませんが、eスポーツの動きとしてはお世話になってきた梅崎CEO、鈴木社長、古澤様といった方々が2016年7月に日本eスポーツ連盟を設立、ニデックもこれに加盟しました。翌2017年にはJOC加盟を目指して当時乱立していたeスポーツ5団体が協議を開始。それでもまだまだ日本国内のeスポーツは黎明期でしたが、この時期たくさんのeスポーツ関係者と巡り会う機会を頂いたのが印象的です。この頃知り合った方々とは黎明期を共にしたという事で今でも親しく酒が飲めるような、“仲間”といったような感覚でたいへんありがたい人脈です。

この2016年~2017年頃は、まだまだG-SQUAREは思うように売れなかったですね、高単価商品ですし。ただこの頃、パソコン専門店さんでゲーミングPCしか売っていないようなお店もいくつかあって、そういう感度の高いお店には私どもの製品情報はしっかり届いていたようです。ロジクール社をはじめ、ゲーミングデバイスは当時ぐんぐん売上が伸びていて、一部ではeスポーツの波が来てるなぁ、と肌では感じていました。

2018年2月、日本eスポーツ連合(JESU)が設立されました。このJESU設立にはたびたびご紹介している梅崎CEO、鈴木社長、古澤様などがJESU設立に深く関わっておられました。「どんどん偉くなっていくなぁ」と横目でみつつ、それ以前の黎明期からお付き合いさせて頂いていて良かったな~と実感していました。JESUには大手企業も多数参画し、まさに日本におけるeスポーツの転機でした。

“非ゲーム企業の成功例がない”

私自身がたびたび言っている事なのですが、ゲーミングデバイス業界は上り調子でどんどん成功されているのですが、非ゲーム企業の成功例がない。ぜひその成功例の第一号になりたいと思っていました。唯一、ゲーミングチェアについては一つの市場を築いているといえますが。

そんななか、2018年7月にソフマップさん(編集注:パソコンショップ兼家電量販店、ビックカメラ系列)がゲーミングチームのグッズ販売フロアを作り大きな話題となりました。デバイスではなくチームのグッズ。ニデックはDNGのグッズ販売にも支援したりしていましたので、こうしたフロアづくりにもお声かけ頂くようになりました。ちなみにこの流れはまた一つの転機になり、同じく家電量販店のエディオンさんがeスポーツに乗り出しDNGのスポンサーになったり店内フロアに「eスポーツスタジオ」を作ったりと、ずいぶんとeスポーツ関連製品を販売する現場が広がっていきました。

G-SQUAREもこうした販売フロアで取り扱ってもらえることになり、徐々に売上が上がってきました。

―――2018年は日本におけるeスポーツ元年ともいわれているようですが、なんだか凄い勢いですね!

たしかに流れがどんどん来ている!という感触があり、これから!という時に…2020年初頭からこのコロナ禍が始まりまして(笑)動こうにも動けなくなってしまいました。

ゲーミングアイウェアを“必需品”に

―――これからの更なる飛躍を期待してますが、これからやりたいこと・展望などはいかがでしょうか?

海外にも広めていきたいなと思いますが、これはあくまで流通の話になります。

それ以上に目指しているのは、【良いものなんだ】という事をもっと伝えたい、という事です。

毎回お話している事ですが、非ゲーム企業の成功事例がないという言葉に繋がります。eスポーツにとってメガネ(ゲーミングアイウェア)は意外と難しい位置づけなんです。例えばeスポーツコンテンツ配信の場合、選手は顔を中心に肩から上が映るので、「メガネは必ず顔と一緒に映るから良いよね!広告宣伝力が強いよね!」と異業種の方から必ず言われます。ただこれ、私は違うと思っているんです。メガネって、日常的すぎるんですよ。つまり、見てくれている人々は「あーメガネかけてるな」ぐらいの認識で、「G-SQUARE 着けている!」とか気づいてくれない。

ロジクールさんなどのゲーミングマウス、キーボード、ヘッドセット…これらはゲームをやるうえでは「必需品」です。必需品だからこそあれこれ比べてこだわって買ってくれる人が多いわけです。「メガネ」も日常生活で使用される「必需品」ですよね。

「ゲーミングアイウェア」は、普通のメガネでは物足りない人・選手が掛けているから・物珍しいから・・・等々、理由は様々ですが、「メガネ」とは違い「必需品」ではなく、あくまで「嗜好品」なんですよね。

これを私は、他のゲーミングデバイスと同じ様に、eスポーツにとっての「必需品」に引き上げたいと願っています。レンズに度が必要な人もそうでない人も、皆さんが「良いものだね、必ず要るよね」というものにしたいです。これには一社だけが発売しているという状態ではだめで、何社もゲーミングアイウェアを発売する。売り場ではゲーミングアイウェア専用コーナーがズラッとあって「私は〇〇が好き」「僕はG-SQUAREが好き」という様な選択肢が増えて初めてしっかり市場が出来ると思っています。ゲーミングデバイスはロジクールがいい、いやRazerがいい、ロキャットがいい、とかありますよね? そんな市場が出来た後に、「ゲーミングアイウェア、たくさんあってよくわかんないから“とりあえずG-SQUARE買っとこう”」と言う状態に持っていきたいですね。スマホで言う「わからないから、とりあえずiPhone買っとこう」みたいな感じです。

トッププレーヤーたち

―――多くの名だたるeスポーツプレーヤーと接していて、凄いな、と感じることはどんな事でしょう?

いろいろな選手がいていろいろな気づきがありますが…DNGの選手でいうと、まず「意識がアスリート」という点ですね。お恥ずかしながら最初にお会いした時は「ゲーマーでしょ」に近いような多少うがったようなイメージを持っていました。ですがすぐわかったのは、自分のコンディション管理を徹底して行っていること。キチンとしたバランスの良い食生活、ランニングなど運動も欠かさない。こもってゲームばかりしているというイメージはすぐ払拭されましたね。まさに選手の意識はアスリートなんだと感心しました。それと、DNGの選手は礼儀をきちっとされてます。やっぱり強いチームは礼儀正しいです。

―――トップ選手はみんな、背筋の姿勢が良いという話を聞いたのですがそうなんでしょうか?

うーん、私は違うと思いますね。選手はいろいろな独自の姿勢があって、ゲーミングチェアに体育座りしている人もいましたし、すごい前傾姿勢でプレイするトッププレーヤーもいます。え?それでゲームできるの?と驚いたくらいで、それでもその選手にとってはベストな姿勢なようです。

まあ、統計とったら何か違う結果も出るのかもしれませんが…。

FeRCリサーチについて

 

―――今回、G-SQUAREのフェルク研究結果が出ました。現在発表待ちなので詳細は言えないと思いますが、今回のフェルク研究(リサーチ)についての感想をいただけますか?

G-SQUAREはDNGの選手に徹底的に聞きこんで開発し、選手たちの満足度も高いので自信を持っていますが、それでも良いものだと説明するには現状「選手の感想」レベルしか根拠がないという事も事実でした。

そんななかで、感想レベルでなく客観的なデータが欲しい、と望んで今回フェルクでの検証研究をお願いしました。

結果は…そう、嬉しい結果なのにまだ詳細言えないのですが…お世辞でなくハッキリ言えるのは今回研究して下さったフェルクリサーチ部会の方々に感謝の気持ちです。本当、感謝しかありません。どうやって何をリサーチするかの立案の際、徹底的に親身になって協議してくださって、当初盛り込んでいなかった測定項目を提案してくれたのは磯貝教授(フェルク理事長)でした。

販売していく中で、お客様の満足を上げたいので、このような客観的なデータがどうしても欲しい。強く願ってきましたので、本当、感謝しかありません。

G-SQUAREはレクアメッシュコーティングをはじめとした独自レンズなのですが、いわゆる「ブルーライトカットでしょ」とひとくくりに解されてしまう事が多々あります。きちんとした検証研究で、より分かりやすくきちんと良さをお客様にお伝えしていけるようになるのではないかと、ワクワクしております。

―――ありがとうございました!eスポーツ黎明期から関わってこられた高橋さんならではの大局に立ったお話もあり、たいへん充実したお話でした!これからますますの飛躍をお祈りいたします!


【高橋 大】 株式会社ニデック コート事業部

2005年入社、同社コート事業部にて既存のコート事業に従事するほか、スマホカバー開発・発売などで同社BtoCビジネスを積極的に開拓。2016年発売のG-SQUAREの構想・開発・推進全般を担い活躍中。

【株式会社ニデック】

1971年創業、本社愛知県蒲郡市。資本金/4億6,189万円(非上場)主な事業は眼科医療・眼鏡機器・コーティングの3分野。近年は、疾病の予防や早期発見を目的とした診断機器、体に負担の少ない低侵襲な手術装置の開発、再生医療などの商品もてがける。 福岡eスポーツリサーチコンソーシアム団体正会員。

 

 

 

続きを読む

【企業がe!】株式会社ニデック①コート事業部 高橋大さん

2020.12.9

【企業がe!】株式会社ニデック コート事業部 高橋大さん インタビュー①

FeRC参画企業の情熱や取り組みをご紹介する【企業がe!】

第4回、国内eスポーツ黎明期からいち早くeスポーツに着目し、ゲーミンググラス【G-SQUARE】アイウェアを開発された、株式会社ニデック コート事業部高橋大さんにお話をうかがいました。

【G-SQUARE】は人気eスポーツチーム「DetonatioN Gaming」と連携し、「ゲーマーが本当に頼れるレンズとフレームを」とのコンセプトの元、共同開発されました。眼科医療機器メーカーとしてたいへん有名なニデックがなぜeスポーツのアイウェアを?!充実のロングインタビュー①です。


ニデックのコート事業部とは

―――高橋さん、本日はリモートですがよろしくお願い致します。先般からフェルクでも【G-SQUARE】の調査研究が行われましたが、ここに至る経緯をじっくりとお伺いしたいと思っておりました。ニデックさんは眼科・眼鏡業界では知らぬ人はいないほど大きなメーカーさんですが、メガネ開発&販売されているとは驚きました。

こちらこそ宜しくお願い致します。株式会社ニデックは、「眼科医療分野」「眼鏡機器分野」そして「コーティング分野」の3つを事業内容としています。「眼科医療分野」を分かりやすく紹介すると、眼科を受診したら“のぞき込んだら気球が見える」機械を経験された方も多いと思います。あの気球が見える機器は全てニデックの製品です。眼科で採用されているレフケラトメータなどの検査機器、OCTなどの診断機器、白内障手術でインプラントされる眼内レンズ、電子カルテなど幅広く眼科医療分野として製品展開しております。

“気球が見える機器”は全てニデック製
眼科医療分野

「眼鏡機器分野」は眼鏡店さんで採用されているレンズ加工機(メガネレンズを削る)など加工機器やシステム検眼機などを展開し、おかげさまで国内シェアトップです。

眼鏡機器分野

―――フェルク参画の眼科関係者・眼鏡関係者の方にも「ニデックさんよく知ってる!」と言われます。3つ目の「コーティング分野」について教えてください。

はい、実はG-SQUAREの開発にも大きく関わるのでコーティング分野の事業についてお話ししますと、メガネレンズのコーティングをレンズメーカーさんから請け負っています。レンズは光を通してレンズ越しに物を見なくてはならないものですが、コーティング機能を発揮させつつ見え方を損なってはならない。この技術によって樹脂基材やガラス基材などにコーティングするという事業です。当社のコーティングは液晶モニター自動車メーターパネルなどに採用されている、と言えば分かりやすいでしょうか。このコーティング分野はメーカーさんへの供給なので、他の2つの分野と違い一般の人には社名がほとんど知られていないのかもしれません。私はニデックに入社して以来、このコート事業部で仕事をしています。

コーティング分野

この事業部は相手が企業、しかもニデックブランドで消費者の手に渡るものではありません。メーカーさんからの受託ビジネスであり、BtoB(企業間取引)ですのでニデック社名は知られないわけです。事業部として「自社製品」を持つことが、私の入社当時から「事業部の目標」としてずっとあった課題でした。

BtoCへのチャレンジ

まだガラケー時代、国内携帯メーカーさんからの受託で、携帯電話外装の加飾コーティングをしていました。

そんな中、スマートフォン「iPhone」の3GSの時期、スマホカバーの企画と開発をやってみました。「染(そめ)」というブランド名で全9色作ったのですが、販売ルートがない。ニデックのビジネスはそれまでBtoB、各メーカーさんからの受託加工であって、一般消費者に「ニデック」と分かる製品を売っていませんでしたから、販売してくれる店舗のルートなんて全く無かったのです。BtoCビジネスのハードルにいきなり直面しました。それに包装も。「ニデック」という自社名が入り直接消費者の手に渡る製品経験が企業として無いわけですから、最初はパッケージ台紙のデザインも全て自分で手探りの中行いました。

コート事業部BtoCの嚆矢となったスマホカバー

―――販売ルートもないBtoC…どうされたのですか?

飛び込みで携帯ショップさん・雑貨屋さん・家電量販店さんなどを私が回りました。携帯ショップと名の付くお店には片っ端から飛び込み。飛び込んでも「ニデック」なんて社名から知られていませんから、販売して下さる店舗を獲得するまで本当に苦心しました。そんななか、1件の携帯ショップさんから販売するよと言って下さったときは、同じ事業部の社員と祝杯をあげましたね。本当に嬉しかったです。その後、「染」はおかげ様で累計20万個以上販売され、当社BtoCビジネスモデルのさきがけとなりました。それから時代はあっという間に変わり、最初に販売して下さった携帯ショップさんもいまは閉店されました。スマホカバーが珍しいものでなくなり「染」ブランドも既に終了しました。

同じようにコート事業部のBtoCとして、液晶テレビの画面保護パネル「レクアガード」も製品化されていました。これは今でも販売中で家電量販店さん等でも販売頂いています。家庭用ゲーム機のコントローラーを誤って画面に投げ出してしまったりペットのいたずらなどで画面の破損やキズが入ってしまう事例は意外と多いんですよね。高精細な画質を損なわず照明の映り込みを防ぐなど、メガネレンズで培った光学・コーティング技術が応用されています。

こういった経緯が2005年~2012年にあり、結果としてG-SQUAREに至るニデックBtoCビジネスの下地ができました。

従来BtoBのみだった企業がBtoCビジネスにチャレンジする事例は多いと思いますが、皆さん同様のご苦労をされているのではないかと推察します。当社も、製造から社内システムまで全てがBtoB仕様ですから、さまざま乗り越えなければならない事がありました。私個人にとってもたいへん想い入れ深い経験です。

ニデック、eスポーツとの出会い

―――このBtoCビジネスのエピソードだけでご飯三杯食べられますよ!(笑)G-SQUAREに至る下地が出来たところで…御社はeスポーツの世界に出会うことになるのですね。

2014年の事ですが、弊社の営業社員がDetonatioN Gaming梅崎伸幸CEOと初めてお会いしました。この営業社員のご兄弟がeスポーツを知っていて(編集注:当時ロジクール広報担当)、“何かおもしろいコト無い?”と兄弟間での会話があったようです。そこで梅崎CEOとひき会わせてもらい、そのご紹介でSANKO鈴木文雄元社長と出会い、さらにロジクール責任者古澤明仁さんと出会うというご縁をいただきました。

eスポーツは凄い!と感銘した社員がニデック営業部長を連れて行ったところ、この部長もたいへん感銘を受け、ニデックはeスポーツの世界に飛び込んでいく事になります。私は分かりやすく“兄弟愛が生んだ出会い”と言っています(笑)

梅崎CEO、鈴木社長、古澤様…このお三方との出会いは当社ニデックeスポーツ事業をご紹介するうえで避けて通れないほどたいへん大きなきっかけでした。のちのお話になりますが、このお三方はやがて日本eスポーツ連合設立にも中心的に関わっていかれる事になります。

(編集注)DetonatioN Gaming=2012年7月設立のeスポーツプロチーム。梅崎伸幸CEO(2020年11月現在)

(編集注)㈱SANKO=鈴木文雄代表取締役元社長。広告代理店。eスポーツ事業やマンガデザイン事業など新たな市場創造に挑んでいる。

(編集注)Logicool=スイス本社のデジタルデバイス提供企業。日本ではLogicoolブランドを販売。古澤明仁氏(当時ロジクールゲームデバイスのマーケティング担当責任者。㈱RIZeST代表取締役を経てウェルプレイド・ライゼスト㈱代表取締役就任予定)

さて、eスポーツビジネスをと…

さてeスポーツに感銘感化されたのは良いのですが、当時ニデックにはeスポーツに関して売るものがない

それでもeスポーツに情熱を持った営業部長のもと、eスポーツ関連事業を新たに生み出す7~8人の社内チームが設立され、そちらに私も参画する事となりました。DetonatioN Gamingとのスポンサー契約を結んだのもこの頃です。

―――ニデックさんは2014年段階で既に社内チーム設立ですか、凄いですね!

いえいえ、最初から社内が“eスポーツ!”と共感していたわけではありませんでした。まだeスポーツが国内でほとんど知られていない上に、イメージがあまり良くない雰囲気もありましたので…。ですが営業部長の熱意が後押ししてくれました。

開発投入する製品は【メガネでいこう】と決めたのは速かったのですが、ニデックはアイケア事業部として眼鏡店さんの使うレンズ加工機などでトップシェアであるものの、メガネの小売(編集注:直接消費者向けのBtoC商材を持つ、Eコマースで販売する、など全般)を全く手掛けてきませんでした。このあたり、かなり議論しましたが結局、まだまだeスポーツはニッチな分野の特殊メガネという位置づけだったのでこれで行こう、と決断するに至りました。

そこから一年間ほどかけ開発やテストを繰り返して発売したものが【G-SQUAREアイウェア】です。

―――いよいよeスポーツ市場にメガネを投入する事になったニデック。G-SQUAREアイウェア開発・発売からその後にいたるインタビューの核心は、次回!


【高橋 大】 株式会社ニデック コート事業部

2005年入社、同社コート事業部にて既存のコート事業に従事するほか、スマホカバー開発・発売などで同社BtoCビジネスを積極的に開拓。2016年発売のG-SQUAREの構想・開発・推進全般を担い活躍中。

【株式会社ニデック】

1971年創業、本社愛知県蒲郡市。資本金/4億6,189万円(非上場)主な事業は眼科医療・眼鏡機器・コーティングの3分野。近年は、疾病の予防や早期発見を目的とした診断機器、体に負担の少ない低侵襲な手術装置の開発、再生医療などの商品もてがける。 福岡eスポーツリサーチコンソーシアム団体正会員。

続きを読む

プレスリリース配信【会員限定セミナー報告】20年8月31日

2020.8.31

2020年8月31日配信プレスリリース

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000064566.html

福岡発のeスポーツ研究組織「福岡eスポーツリサーチコンソーシアム」(FeRC)eスポーツセミナー第1弾を開催

心理学の専門家「eスポーツやゲームの健全かつ健康的な活用のために『学術的有用性』を明らかにするべきだ」と提言

福岡eスポーツリサーチコンソーシアム    2020年8月31日 13時20分
 
福岡の大学・専門学校の教員やIT企業の役員などが今年2月に「eスポーツを科学する」を理念に立ち上げた「福岡eスポーツリサーチコンソーシアム」(FeRC)が8月19日(水)、会員限定のeスポーツセミナーをオンライン上で初開催しました。
当日はFeRCに参画している研究者が、eスポーツ分野の知見を講演する「研究者講演」、会員企業がeスポーツ関連商品をプレゼンテーションする「企業ミニセミナー」を催したほか、現在進行中のeスポーツ研究の進捗状況も報告され、まさにeスポーツ談議が目白押しの夏夜となりました。

FeRCは福岡発のeスポーツ専門研究組織

「福岡eスポーツリサーチコンソーシアム」(FeRC)は、「eスポーツを科学する」のミッションのもと、主に福岡県内の大学・専門学校の教員をはじめとする有識者やIT企業の役員などの関係者が集結し、今年2月に発足しました。目下、eスポーツの機能を科学的に解明し、eスポーツの普及・発展、そして選手の健全育成に寄与するため、実験・調査や学会発表などの研究活動に取り組んでいます。

福岡発のeスポーツ研究組織。全国的にも珍しい
2020年2月設立総会時会員(一部)作花会長・磯貝理事長の呼びかけにより設立

これまで、FeRC理事長で九州産業大教授の磯貝浩久先生の研究チームが行ったeスポーツのトップ選手を被験者とした実験では、eスポーツのパフォーマンスアップに認知トレーニングが有効である可能性が既に明らかにされています。現在は、高齢者を対象としたeスポーツの機能性に関する研究や、eスポーツが人体の自律神経などに与える効果測定など複数のプロジェクトが進行中で、特に高齢者研究では県内の自治体からも全面的な後援を受け、注目されています。
そのほか、eスポーツ市場向けの商品開発で地元企業とコラボレーションを行うなど、eスポーツを活用した地域社会の活性化にも力を注いでおり、研究組織の特長を活かしたFeRCの新たな試みに、産官学やメディアからも関心が寄せられています。
FeRCは当初、福岡市科学館(福岡市中央区)で今年3月にeスポーツセミナーなどの啓発イベントを予定していましたが、当時の新型コロナウィルス感染症の感染拡大状況に配慮して開催を延期。オンライン上で行うウェビナーに形式を改め、今回がeスポーツセミナーの初開催となりました。

写真:研究活動を後援する福岡県豊前市の後藤元秀市長(中央)FeRC作花浩聡会長(左)FeRC磯貝浩久理事長(右)
写真:地元民放RKBの「発掘ゼミ!!」取材を受けた磯貝理事長(左)と番組リポーターのPA:LADIN Taichiさん

【セミナー報告①】日本初、心理学とeスポーツの「二刀流」講師が登壇

研究者講演では、FeRC運営会員で参画研究者臨床心理士・神崎保孝先生が「臨床的に見るeスポーツの機能と課題」をテーマに登壇しました。神崎先生は、普段は教育委員会スーパーバイザー、総合病院アドバイザー、民事訴訟事件裁判鑑定人などとして、学校や病院でカウンセリングなどの臨床活動、教員や医療従事者への研修指導を務めています。一方、日本で初めて心理学の専門家としてeスポーツチーム「ニワカゲームス」と顧問契約を結び、メンタルアドバイザー・メンタルコーチの立場でeスポーツ選手の指導に当たっている「心理学とeスポーツの二刀流」です。
ニワカゲームスは、FeRC会員企業の「ニワカソフト株式会社」が立ち上げた地元福岡のeスポーツチームで、今や「グランツーリスモ」の国体準優勝選手らを擁する日本トップレベルのeモータースポーツチームです。今シーズンは、国体福岡県代表選手を4名輩出したほか、プロレーサーも参戦した「JeGT GRAND PRIX」でもチーム優勝を飾りました。

また、神崎先生自身が学生時代に大手ゲーム会社プロデューサーからの依頼で企画参加した経験を持つためゲームに造詣が深く、「ゲーム症(障害)」が新設されたWHOのプロジェクトにも参加経歴がある専門家としての立場から、eスポーツやゲームの健全かつ健康的な活用の啓発のためメディアなどにも出演しています。

講演では、主に教育や医療の分野からゲームに対して厳しい目が向けられている現実を指摘しながらも、将来eスポーツ選手になることを夢見て闘病を続ける小児患者の臨床ケースについて解説。また、メディアを通じてFeRCの研究活動を知った知人教員がゲームに対する見方を変えた例が紹介され、FeRCの取り組みによってゲームの「学術的有用性」を明らかにし、現在の「競技性」「エンターテイメント性」と三本柱を組むことで、将来的に社会におけるeスポーツやゲームの健全かつ健康的な活用を目指すことができると提言しました。

写真:FM FUKUOKA「Have Fun!! e-sports」出演時の神崎保孝先生(右)とパーソナリティ西川さとり氏
図:神崎先生はFeRCの取り組みによって「学術的有用性」「競技性」「エンターテイメント性」の三本柱でeスポーツやゲームを健全かつ健康的に活用する提言を行いました

【セミナー報告②】眼科医療機器最大手がeスポーツチームと共同開発したゲーミンググラスを紹介

企業ミニセミナーでは、FeRC会員企業の「株式会社ニデック」の高橋大氏が登壇しました。ニデックは、覗き込むと気球が見える視力検査機器でお馴染みの、世界的なシェアを持つ日本の眼科医療機器リーディングカンパニーです。高橋氏は、eスポーツ市場向けに展開している商品として、eスポーツチーム「DetonatioN Gaming」と共同開発したゲーミンググラス「G-SQUARE」についてプレゼンテーションを行いました。

G-SQUAREは、eスポーツの生命線である目を保護し集中の持続や疲労の軽減をサポートするために開発された眼鏡で、「レクアメッシュ・コーティング」と呼ばれる六角形の網目状の特殊なコーティングをレンズに施すことで、まぶしい光の透過を抑えて視認性を高められるように設計されています。また、ゲームプレイ中にヘッドセットを長時間着用することを想定し、フィッティングしやすく頭部や耳周辺部への負担を軽減できるようにフレームの素材や長さも調整されています。

ミニセミナーでは、これらのG-SQUAREの特長や開発経緯が説明されたほか、プロeスポーツ選手を監修として巻き込み、「ファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)向け」や「格闘ゲーム向け」など、eスポーツのジャンルごとに推奨されるレンズカラーの開発案について提案がありました。

写真:株式会社ニデックがeスポーツチーム「DetonatioN Gaming」と共同開発したゲーミンググラス「G-SQUARE」

FeRCは今後もeスポーツセミナーの毎月開催を計画しており、次回は9月19日(土)に開催予定です。詳細はFeRC公式ホームページまで。

▼「eスポーツを科学する。」福岡eスポーツリサーチコンソーシアム(FeRC:フェルク)
■HP:https://www.ferc.jp
┣研究者の眼

┣西薗秀嗣先生(FeRC運営会員・九州産業大教授):https://www.ferc.jp/research/n20200806/
┣森田泰暢先生(FeRC運営会員・福岡大准教授):https://www.ferc.jp/research/jul07-2020/
┣磯貝浩久先生(FeRC理事長・九州産業大教授):https://www.ferc.jp/research/jul03-2020/
┗神崎保孝先生(FeRC運営会員・臨床心理士・ニワカゲームスアドバイザー):https://www.ferc.jp/research/may14-2020/

■Twitter:https://www.twitter.com/Fukuoka_eRC
■Facebook:https://www.facebook.com/FeRCesports
■Instagram:https://www.instagram.com/fuk_erc


本プレスリリースに関するお問い合わせは、FeRC事務局までご連絡ください

info@ferc.jp (事務局:鈴木/斉藤)

続きを読む